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4月7日に投開票された大阪府知事・大阪市長のダブル選は、地域政党「大阪維新の会」の知事と市長が辞職し、互いの立場を入れ替えて出馬した前代未聞の選挙だった。市を廃止し、東京23区のような特別区に再編する「大阪都構想」。この行き詰まりが理由だった。維新が2015年の住民投票で大阪市民に否決された都構想の再挑戦を掲げてダブル選を戦うのは2度目。今回は統一地方選との同日選に持ち込み、新たに4年の任期を得たほか、府議会(定数88)で51議席を獲得、市議会(同83)でも過半数に迫る40議席と勢力を伸ばし、圧倒的な強さを見せつけた。
私は11年から維新の選挙を見てきたが、以前のような熱狂的支持は感じられず、足元でこれほど“強風”が吹いていたとは気付かなかった。「万博も決まったし、維新になって、大阪ようなってきてる。ごっそり改革してもろうたらええんや」。取材や出稿を終えた8日未明、職場を出てタクシーに乗ると、初老の運転手は意気揚々だった。市民の本音を聞かされたようで、耳が痛くなった。
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