水俣病「まだ、終わっていない」 公式確認から63年 発生初期の患者らが慰霊祭

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慰霊祭で焼香する坂本しのぶさん(左から2人目)=熊本県水俣市で2019年5月1日午後1時40分、笠井光俊撮影
慰霊祭で焼香する坂本しのぶさん(左から2人目)=熊本県水俣市で2019年5月1日午後1時40分、笠井光俊撮影

 公害の原点とされる水俣病は1日、公式確認から63年となった。熊本県水俣市などが1日に毎年開催している犠牲者慰霊式は、新天皇即位を考慮して10月19日に延期されたが、発生初期の患者らでつくる水俣病互助会は例年通り同市袋の「乙女塚」で慰霊祭を開いた。昭和の高度経済成長の陰で発生した未曽有の環境破壊・健康被害は平成が過ぎても被害の全容がはっきりせず、解決の道筋も見えないまま、令和の時代を迎えることになった。

 慰霊祭には約100人が参列し、水銀によって犠牲になったすべての命に祈りをささげた。慰霊祭後、胎児性患者の坂本しのぶさん(62)は「これまで何度も『水俣病は終わっていない』と言ってきたし、症状のある人がちゃんと患者認定されるようになってほしいと思ってきた。でも、なかなか変わらないし、元号が変わっても同じだと思う。水俣病から逃げることのできない私たちの話を聞いてほしいし、変わってほしいと思う」と話し…

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