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ほくりく今昔

いよいよ新時代「令和」が始まる。移り変わった北陸の姿を「今」と、平成が始まった頃の「昔」の写真2枚で振り返る。

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平成から令和へ/5 珠洲原発 奪われなかった里 /富山

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かつて珠洲原発建設計画を巡り地元住民の怒声が飛び交った能登の里海周辺は、今は穏やかな景色が広がる=石川県珠洲市高屋町で、石川将来撮影
かつて珠洲原発建設計画を巡り地元住民の怒声が飛び交った能登の里海周辺は、今は穏やかな景色が広がる=石川県珠洲市高屋町で、石川将来撮影

 青空の下で、能登の里海は凪(な)いでいた。野鳥の鳴き声が響き渡る。手押し車を押して歩く高齢女性を、ローカルバスやバイクが追い越していく。「なにしとるがや」「だら(ばか)にするな」--。地元民の怒声が飛び交った約30年前の光景が、うそのようだ。

 日本海に突き出た能登半島の先端、石川県珠洲市に原発誘致計画が浮上したのは1975年。珠洲市が国に原発の適地可否調査を求める要望書を提出した。候補地の一つだった同市高屋町には89(平成元)年5月、関西電力の作業員らが現地調査に入り、反対派の住民が阻止行動に乗り出すなど大騒ぎとなった。

 世の中を憂(う)しとやさしと思へども飛び立ちかねつ鳥にしあらねば(世の中を辛く耐え難いと思っても、どこかへ飛んでいくことはできない。鳥ではないのだから)

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