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知のスイッチ 「障害」からはじまるリベラルアーツ
【嶺重慎・広瀬浩二郎・村田淳編著、墨字】
「教養教育」ともいわれ、昨今の大学教育において充実の必要性が叫ばれるようになった「リベラルアーツ」。それを「障害」という切り口から学ぶことを呼び掛ける1冊。障害者の視点から新しい学問の流れを生み出そうという狙いで、2017年に開かれた京都大でのシンポジウムが本書の企画にもつながった。リベラルアーツを学ぶ意義に、人間が備え持つ自由な理性を確保するための「知の技法」を身につけられることを挙げ、社会の多数派でない障害者の視点からのアプローチを提案している。障害当事者が生み出した新しいタイプの研究や既存の学問分野に「障害」の視点を取り入れた具体例を紹介するだけでなく、従来の常識や普遍性が通用しない学問世界を取り上げる中で「障害」や「あたりまえ」とは何かを問い直している。表紙のイラストに触図が付いているのも特徴。274ページ。税別2100円。岩波書店(03・5210・4000)。カバーに、テキストデータ引換券付き。
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