幣原喜重郎の「憲法9条」掛け軸発見 軍備よりソフトパワー 漢詩に思い託し

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幣原喜重郎・元首相の掛け軸
幣原喜重郎・元首相の掛け軸

 戦後2人目の首相として連合国軍総司令部(GHQ)との憲法制定交渉に当たった幣原(しではら)喜重郎(1872~1951年)が在任中、憲法9条への思い入れを託したとみられる漢詩の掛け軸を千葉県在住の歴史家、大越哲仁さん(57)が発見した。掛け軸は長年、所在不明になっていた。

 漢詩は、軍備よりもソフトパワーを重視する国防のあり方を詠み、「日本国憲法第九条注釈」と添え書きされている。大越さんは、戦争放棄と戦力不保持をうたった9条の意義を幣原が漢詩に投影したとみている。専門家によると、幣原が制定過程の憲法について当時、私的に記した史料は珍しいという。

 漢詩は唐代の詩人、汪遵(おうじゅん)の「長城」。「秦長城を築いて鉄牢(てつろう)に比す。蕃戎(ばんじゅう)敢(あ)えて臨※(りんとう)に逼(せま)らず。焉(いずく)んぞ知らん万里連雲の勢(いきおい)。及ばず尭階(ぎょうかい)三尺の高きに」と読み下せる。「鉄壁のような万里の長城も(古代中国の伝説の名君)尭帝(ぎょうてい)の質素な宮殿に及ばなかった」が大意だ。

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