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社説

5・4運動100年 過剰な民族感情の制御を

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 近代中国初の大規模な民族運動とされる1919年の「5・4運動」から100年を迎えた。日本の大陸進出が中国のナショナリズムを呼び起こした歴史的事件だ。

     東アジアはなお、領土や歴史をめぐり、民族感情が衝突しやすい環境にある。お互いにナショナリズムを制御する方策を考えていきたい。

     日本は第一次世界大戦で中国・山東半島のドイツ権益を獲得した。中国は権益返還を求めたが、19年のパリ講和会議では主張が退けられた。

     反発した北京の学生ら数千人が同年5月4日、天安門広場からデモ行進して全国的な運動に広がり、国民党や共産党の結党にもつながった。

     日本統治下の朝鮮半島で起きた同年の「3・1独立運動」の影響も受け、民族意識が高まったとされる。

     戦後の日中韓関係は当時とは大きく変化した。先行した日本を韓国、中国が追い上げ、国内総生産(GDP)では中国が日本を抜いた。

     一方で民族感情がぶつかり合う状況を克服できていない。2012年には日本の尖閣諸島「国有化」に反発して中国各地で反日デモが行われた。日韓関係は慰安婦や徴用工問題をめぐって冷え込んだままだ。

     中国が16年に南シナ海の中国権益を否定する仲裁裁判所の判決受け入れを拒否したことは、国際連盟を脱退した戦前の日本を想起させた。大国が力を背景に覇権を拡大しようとすれば、周辺諸国の反発を生む。

     米中関係の緊張もあり中国は国際社会との協調姿勢を見せ始めた。そうした姿勢が続くかが最悪の状況を脱した日中関係の将来を左右する。

     過剰な民族感情の発露は相互に刺激し合う悪循環につながりかねない。韓国には慰安婦合意がそうした感情の衝突を制御する意味を持っていることに目を向けてもらいたい。

     世界的にはグローバル化への反動から自国第一主義や欧州で広がる反移民の主張など行き過ぎたナショナリズムともいえる動きが広がる。

     日本にも嫌韓、嫌中本の隆盛やヘイトスピーチの横行がある。近隣との対立さえ克服できない状況で外国人労働者の受け入れが進めば、今の欧州の二の舞いになりはしないか。

     歴史の教訓をどう現在に生かすか。複雑な歴史を抱えた中韓と相互理解を進め、共通認識を増やしたい。

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