- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷
◆『韓(から)めし政治学』
(角川新書・929円)
食をネタにした韓国政治・文化論のエッセー。産経新聞客員論説委員の著となれば、事情を知らない今どきの読者は、単なる嫌韓本を想像するかもしれない。実際、韓国で「日本の代表的極右新聞」の「妄言製造機」と、ののしられもする著者だ。にもかかわらず、約40年間、かの国で保革の政治家から実業家、市井の人々にまで人脈を広げてきた。その理由が分かるような一冊だ。
「朴槿恵と独り飯」「ビビンバと慰安婦」「金正恩の冷麺」など、「食と政治」が主なお題だが、何よりも著者の実体験に興味をそそられる。盧武鉉政権から贈られたお米をコラムで褒めたら逆に怒られた話、韓国マスコミにケーキを差し入れて「(政治的)考えは違うけど感謝します」と言われた話……。相手の思考に皮肉で応じつつ、彼らへの愛情も隠さない。「筆者も含め韓国人は」と、書き間違えたくだりさえあり、韓国人に見えにく…
この記事は有料記事です。
残り104文字(全文504文字)