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橋爪大三郎・評 『社会学史』=大澤真幸・著

 (講談社現代新書・1512円)

 デュルケーム、ジンメル、ヴェーバーら定番の大学者から、グロティウス、ホッブズ、ルソーら社会学の前史にあたる人びと、超大物のマルクス、フロイト、さらにはフーコー、ルーマンら現代の理論家まで、知の山脈の全貌を明らかにする本格的で正統な社会学史の登場だ。

 本書の特長は第一に、学者のそれぞれの独創の核心を的確に掴(つか)み切っていること。第二に彼らがそう考える必然を、自在な筆致で読者に追体験させてくれること。第三に、彼らの仕事が合わさって近代社会の全体を包む大きな図柄になるさまを、描き出していること。文章も平易で、満点の出来栄えである。

 著者大澤氏は言う、社会学とは《近代社会の自己意識》にほかならない。なぜこの社会はこうなのか。キーワードは偶有性である。不可能(ありえない)でも必然(これしかない)でもなく、たまたまこのようであるのが偶有性。人びとが自由に選び取ったはずの社会が、抑圧的になっているのはなぜか。その原因を突きとめ、よりよい社会を構想するのが社会学だ。

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