メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

中満泉さんから「地球を変えるあなたへ」

(2)NPTと核軍縮 条約の力をいかそう

被爆者団体の代表から、ヒバクシャ国際署名の目録を受け取る中満さん(左から2人目)=アメリカ・ニューヨークの国連本部で1日、(中満さん提供)

[PR]

 令和れいわはじめての日曜日にちようびわたしいそがしくごしています。世界せかい核戦争かくせんそう脅威きょういからまもるために重要じゅうような、「核拡散防止条約かくかくさんぼうしじょうやく略称りゃくしょうNPT)」の会議かいぎ国連本部こくれんほんぶおこなわれているからです。世界せかい唯一ゆいいつ被爆ひばくこく日本にっぽん出身しゅっしんわたしにとって、核兵器かくへいきをなくすために最大限さいだいげん努力どりょくつづけることは大切たいせつ仕事しごと今回こんかいはNPTと核軍縮かくぐんしゅくのことをおはなししましょう。

     国際社会こくさいしゃかいでは、交渉こうしょうによって条約じょうやくという約束事やくそくごとつくることがあります。広島ひろしま長崎ながさき原爆げんばくとされた直後ちょくごは、その衝撃しょうげきから核兵器かくへいきはなくそうとこえがりました。でも20ねんもたつと、各国かっこく核兵器かくへいき興味きょうみち、このままでは核戦争かくせんそうになるとおおくのこく心配しんぱいするようになりました。1960ねんだいにアメリカのケネディ大統領だいとうりょうは、70ねんだいには20カこくほどが核兵器かくへいきつのでは、と発言はつげんしています。そして当時とうじアメリカとソれんはげしい対立たいりつ関係かんけいにあったにもかかわらず、協力きょうりょくしてNPTを提案ていあんし、1970ねん条約じょうやくがスタートしました。

     NPTはみっつのはしらっています。核兵器かくへいきこくは「誠実せいじつ核軍縮かくぐんしゅく交渉こうしょうおこな義務ぎむ」をい、核兵器かくへいき他国たこくへの譲渡じょうと禁止きんしされています。核兵器かくへいきたないこくは、核兵器かくへいき製造せいぞうしたりもとめたりしない義務ぎむいます。しかし、原子力げんしりょく発電はつでんなど平和へいわてき目的もくてき利用りようする権利けんりみとめられています。

     NPTはねん50しゅうねん。5ねんごとに再検討さいけんとう会議かいぎがあり、つぎの2020ねん会議かいぎのための準備じゅんび会合かいごういまおこなわれているのです。現在げんざいNPTにはいっているこくは191カこく。アメリカ、ロシア、中国ちゅうごく、イギリス、フランスの5かこく以外いがいに、核兵器かくへいきつかっているとおもわれるこくは4カこくで、ケネディ大統領だいとうりょう予想よそうよりすくなく、NPTは核兵器かくへいきひろがるのをふせ効果こうかてき条約じょうやくだとえるでしょう。なにより、核兵器かくへいき国々くにぐにに、核軍縮かくぐんしゅく交渉こうしょう義務ぎむ法的ほうてきしているのはNPTのみです。この義務ぎむもとで、かつては7まんはつ以上いじょうあった核弾頭かくだんとうが、現在げんざいでは1まん4せんはつほどになりました。

    核保有国かくほゆうこく対立たいりつ

     でもこのNPTが、いま脅威きょういにさらされています。アメリカとロシアは対立たいりつ関係かんけいもどり、核兵器かくへいき国々くにぐにかく開発かいはつちかられています。「核戦争かくせんそう勝者しょうしゃはいない、だから核戦争かくせんそうけっしてたたかってはならない」というアメリカのレーガン大統領だいとうりょうとソれんのゴルバチョフ書記しょきちょう共同きょうどう宣言せんげんはんするように、核兵器かくへいき使用しよう可能かのうであるかのような発言はつげん大国たいこくからこえるようにもなりました。核軍縮かくぐんしゅくうごきはまってしまったとえます。

    核抑止かくよくし有効ゆうこう

     そもそもなぜ核兵器かくへいきがなくならないのでしょうか。核兵器かくへいきこくは、かくっていれば、相手あいてこくかく使つかわないだろうという「核抑止かくよくし」をしんじています。  さくねん広島ひろしま平和へいわ記念きねん式典しきてん湯崎英彦ゆざきひでひこ広島県知事ひろしまけんちじは、そのかんがかたをこう説明せつめいしました。「いいかい、うちとおとなりさんはなかわるいけど、もしなにかあればおとなりのご一家いっか全員ぜんいんいえごとばす爆弾ばくだん仕掛しかけてあって、そのボタンはいつでもせるようになってるし、おとなりさんもうちをばす爆弾ばくだん仕掛しかけてある。一家いっか全滅ぜんめつはおたがいいやだろ。だからけっしてだいげんかにはならないんだ。爆弾ばくだん多分たぶん誤作動ごさどうしないし、あやまってボタンをすこともないとおもう」。でも歴史れきしじょうなにかいか、もうすこしでかくのボタンがされる危機ききがありました。

     わたし核兵器かくへいきくにたないくにすべての安全あんぜん保障ほしょうするかたちで、核軍縮かくぐんしゅくすすめ、廃絶はいぜつかわなくてはならないとおもっています。そのためには核戦争かくせんそうのリスクをらし、対話たいわ交渉こうしょう安全あんぜん確保かくほできるようにしなくてはなりません。同時どうじに、核兵器かくへいき存在そんざいすべきでない兵器へいきだ、というかんがかたをひろめることも重要じゅうようだとおもっています。

     日本にっぽん被爆者ひばくしゃ方々かたがたは「後世こうせいひとびとが地獄じごく体験たいけんしないように、きているうちになんとしても核兵器かくへいきのない世界せかい実現じつげんを」とのおもいで、「ヒバクシャ国際こくさい署名しょめい」をまいねんとどけてくださいます。世界中せかいじゅうからこれまでにあつまった署名しょめいは941万。被爆者ひばくしゃは、世界せかい核廃絶かくはいぜつ運動うんどうおおきな役割やくわりたしてきました。

     2017ねん国連こくれんめられた「核兵器禁止条約かくへいききんしじょうやく」と被爆ひばくしゃ方々かたがた努力どりょくについては8がつきたいとおもいます。

    おすすめ記事
    広告
    毎日新聞のアカウント
    ピックアップ
    話題の記事

    アクセスランキング

    毎時01分更新

    1. 宮川花子さん、多発性骨髄腫を公表 「舞台に立って感謝の涙を流したい」

    2. 中村哲さん合同葬「父から学んだことは、思いを大切にすること…」 長男健さんコメント全文

    3. 疑問氷解 人間に育てられた犬や猫は、動物の言葉はわからないのですか?

    4. 菅氏「バックアップデータは行政文書ではない」 桜を見る会名簿

    5. 神戸市立小教諭いじめ「連帯責任」 小中高校長ら320人ボーナス増額見送り

    編集部のオススメ記事

    のマークについて

    今週のおすすめ
    毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです