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社説

IT時代の個人情報保護 利用者本位で規制議論を

 政府の個人情報保護法改正案の中間とりまとめが公表された。同法は3年ごとに見直される。

     企業がインターネット上で収集した個人のデータについて、個人が企業に対して利用の停止を請求する権利を認め、企業も請求に応じることを義務付けることが柱だ。

     ネット上でさまざまなサービスを受ける利用者の住所、氏名など個人データは、ダイレクトメールの送付や市場調査などに幅広く使われている。現行法では、個人が利用停止を請求できるのは、企業がデータを不正に得た場合などに限られていた。

     日本企業に加え、グーグルなど「GAFA」と呼ばれる海外拠点の巨大IT企業も対象となる。

     デジタル時代で「個人データの乱用」というリスクが高まる中、データを個人の望まない形では使わせないルールを整備していくのは当然の流れだ。

     だが、中間とりまとめでは、重要なポイントが先送りにされた。

     まず、現行法で個人情報として扱われていないサイトの閲覧情報については、新たな規制案を示さなかった。ネット上では閲覧情報から利用者の嗜好(しこう)が読み取られ、それに合わせた大量の広告が配信されている。

     これについて、政府の個人情報保護委員会は、閲覧情報を会員情報などと結びつけて特定の個人を識別できる場合は、個人情報とみなされると説明する。このため、利用者の請求で広告表示を制限できるケースも今後出てくる。ただ、この形が成立するかはケース・バイ・ケースだ。

     また、過去の不都合な情報を消去させる「忘れられる権利」を認めるかどうかの判断も先送りとした。

     欧州連合(EU)は昨年5月、「世界一厳しい」といわれる「一般データ保護規則(GDPR)」を施行。閲覧情報も個人情報と定め、「忘れられる権利」も認めた。

     こうした規制の強化だけでなく、データがどういう仕方で何に使われるかというプロセスを一層透明化することも大事だろう。幅広い視点で議論する必要がある。

     政府は意見公募を経て年内に最終案をまとめ、来年の通常国会への提出を目指す。利用者本位を原則に、IT時代に適した個人情報保護のあり方を見つけることが重要だ。

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