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薬物汚染、根に貧困 虐待、育児放棄急増 米ウェストバージニア

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薬物過剰摂取による年齢調整死亡率(人口10万人あたり)
薬物過剰摂取による年齢調整死亡率(人口10万人あたり)

 交通事故より、薬物の過剰摂取による死者数が多い米国。事態が最も深刻なのは南部ウェストバージニア州で、病める米国の縮図とも言える。薬物汚染を止める手立てはあるのか。【マディソン(ウェストバージニア州)で國枝すみれ】

 州内を走るアパラチア山脈の炭鉱は多くが閉鎖され、ウェストバージニアの経済は衰退した。世帯収入の中央値(2017年)は全米で3番目に低い。貧困や失業など薬物依存の引き金となる土壌があった。人口約180万人の州で07~12年、オピオイド鎮痛剤が計7億8000万錠も販売された。

 州南部の人口2万2000人のブーン郡。郡都マディソンの炭鉱は約30年前に閉鎖された。地元の裁判所のウィリアム・トンプソン判事(49)が異常に気づいたのは00年ごろ。オピオイド鎮痛剤の処方箋を簡単に出す医者の診療所に長い列ができる一方、児童虐待や育児放棄が急増した。そのほとんどは親の薬物依存が原因だった。

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