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幻の科学技術立国

「科学技術創造立国」を目指してきた日本は、中国など新興国が急速に台頭してくる中で存在感を失いつつあります。現場を歩きながら衰退の原因を探り、再生の道を考えます。

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幻の科学技術立国

第4部 世界の潮流/6 女性への「ノー」乗り越え IT就業促すスウェーデン

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WITの檀上で議論する女性技術者や研究者たち=ストックホルムで2019年3月8日、荒木涼子撮影
WITの檀上で議論する女性技術者や研究者たち=ストックホルムで2019年3月8日、荒木涼子撮影

 <科学の森>

やりたいこと 意志貫く

 ●経験共有する場

 「やりたいことをやり抜くためには、何度ノーと言われても意志を貫く必要があった」。ストックホルムで3月に開かれた、IT(情報技術)と女性をテーマにしたイベント「Women in Tech(WIT)」。冒頭で講演した米航空宇宙局(NASA)の一部門で副責任者を務めるサンドラ・カウフマンさん(56)は、約1000人の女性起業家や女性研究者を前に半生を振り返った。

 カウフマンさんは中米コスタリカ出身。電気工学を学ぼうと大学に入学したところ、教員から「女性には適さない」と言われて断念した。3年後、「やはり自分のやりたいことをやりたい」と、別の大学に移籍し電気工学と物理学を学んだ。母親が背中を押し続けてくれたことが心の支えだったという。「夢に到達するのにかかる時間は関係ない。回り道を恐れないで」と締めくくった。

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