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社説

超低金利がさらに長期化 地銀への悪影響に警戒を

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 地域経済にマネーという血液を供給する地方銀行が、収益悪化にあえいでいる。

     日銀が先月発表したリポートによれば、10年後に地銀の約6割が最終赤字になる恐れがあるそうだ。基礎体力が落ちているため、今後リーマン・ショックのような非常事態が発生すると、多くの地銀で自己資本比率が危険水域に近づくとみられる。

     看過できない状況なのだが、政府や日銀の危機感は十分だろうか。

     日銀は先月、今の超低金利政策を「少なくとも来年の春ごろまで続ける」と明言した。実際はそれ以上、長引くと見てよいだろう。

     地銀の収益が悪化している背景は複合的だ。人口減少や企業活動の低迷に伴う資金需要の低下が底流にある。潜在力のある地元企業の発掘や事業の多角化などを果敢に進めてこなかった地銀側の問題もあろう。

     しかしそればかりではない。6年前に始まった日銀の異次元緩和により、収益の場がどんどん狭められてきた現実も重い。

     集めた預金に払う利子と、それを企業や個人に貸して受け取る利子との差額が、典型的な収益源だが、限りなくゼロに近づいてきている。

     相対的に安全とされる国債の売買も、日銀の比重が圧倒的になった結果、頼みにできなくなった。

     そのような状態がさらに長期化するというのである。

     一部の地銀は不動産関連の融資に傾斜したり、信用度の高くない企業への貸し出しを増やしたりするなど、リスクを膨らませている。

     政府や日銀は、地銀どうしの合併を後押しするなどして、地銀が経営不安に陥らないよう目配りしていく構えのようだ。

     しかし、主要な収益機会が奪われているという本質的問題にメスを入れない限り、改善は見込めまい。

     今は大丈夫でも、ひとたび信用不安が発生すれば、公的資金の投入など国民負担が生じるだろう。地銀が貸し渋りや融資回収といった自己防衛に走れば、本来支えるべき地方経済を一段と衰退へ向かわせることになりはしないか。

     異次元緩和を始めた日銀と、それを「アベノミクス第一の矢」に掲げた安倍政権は、ひずみの増大にもっと目を向けるべきだ。

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