大学システム、世界から遅れ 研究者就職、立場弱く 東大突然、採用取り消し
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東京大から教授採用の内定の連絡を受けながら突然取り消されたとする研究者が大学側を提訴し、2年近い係争の末、東大が謝罪するなどの項目を盛り込んだ和解が2月に成立していた。訴訟では、着任までの立場が極めて不安定で条件交渉もできないなど、研究者側の立場の弱さが浮かんだ。世界が優秀な研究者の獲得にしのぎを削る中、日本の大学の採用システムは今のままでいいのだろうか。【須田桃子】
裁判資料などによると、藤田医科大(愛知県豊明市)の宮川剛教授(48)=脳科学=は2016年12月、母校の東大大学院総合文化研究科の教授職公募に応じた。科の人事委員会の面接を受けた17年1月上旬、同じ日のうちに委員長の教授から採用が決定し、着任は17年6月初めの見込みだと電話で伝えられた。「来てくださいますよね」と聞かれ、宮川さんは「もちろん、喜んで」と即答、メールでも同様の通知を受けた。
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