メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

ラブロフ氏「北方領土、大戦の結果」強調 日露隔たり鮮明 外相会談

会談に臨む河野外相(左)とロシアのラブロフ外相=モスクワで2019年5月10日、AP

 【モスクワ大前仁】河野太郎外相は10日、北方領土問題を含む平和条約交渉を巡り、モスクワでラブロフ露外相と会談した。日本側は当初プーチン露大統領が6月末に訪日する際に平和条約交渉の「大筋合意」を目指していたが、歴史認識や安全保障問題などで隔たりが大きいため、合意を見送る方針。今回は、日本が交渉進展への環境整備と位置づける北方領土での共同経済活動の具体化などプーチン氏訪日に向けた議題を整理した。両外相は今月末に東京で外務・防衛担当閣僚協議(2プラス2)を開くことを確認した。

 両外相は昼食を挟んで約4時間協議し、北朝鮮情勢でも意見交換した。

 ラブロフ氏は会談後の共同記者発表で「第二次世界大戦の結果を全面的に認めるべきだ」と述べ、北方領土はロシアが第二次大戦の結果として合法的に手に入れたという歴史認識を受け入れるよう改めて迫ったことを明らかにした。また陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」を念頭に置き、在日米軍がロシアに脅威をもたらしていると懸念を示した。

 一方、河野氏は「時には激しいやりとりになることもあったが、胸襟を開いた率直な議論ができている」と語ったが、歴史認識問題については「領土問題が解決していないから平和条約が締結されていない」と述べるにとどめた。

 日露両首脳は昨年11月、平和条約締結後の歯舞群島と色丹島の引き渡しを明記した「日ソ共同宣言」(1956年)に基づき、平和条約交渉を加速させることで一致した。これを受け、交渉責任者に指名された両外相の会談は3回目。

 日露間の当面の焦点は共同経済活動に戻っており、海産物の共同養殖など5分野に取り組むことで基本合意している。また、日本の事業者らが北方四島を訪れる際の「移動の枠組み」についても話し合い、今月20、21日に関連する作業部会を開くことで一致した。

 河野氏は会談冒頭、「幅広い分野で関係を進展させつつ、未解決の領土問題を解決し、平和条約を締結することにより、新たな次元の日露関係を構築するためしっかり協議したい」と発言。一方、ラブロフ氏は「立場の違いはかなり大きいが、よりよく理解すれば立場を接近できるかもしれない」と語った。

 プーチン氏は大阪で6月28~29日に開かれる主要20カ国・地域(G20)首脳会議に出席するために訪日する。安倍晋三首相とは29日に会談する方向で調整されている。

 日本側はプーチン氏の訪日までに大幅な進展を狙った。しかし、ロシア側が北方領土の歴史認識や主権などの問題で強硬姿勢を崩さないため、事実上見送らざるを得なくなった。

おすすめ記事

毎日新聞のアカウント

話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 神羅万象チョコ 15年の歴史に幕 累計1億2575万個販売 7月に最終弾発売
  2. 屋久島孤立 下山232人のうち25人到着 残留34人の救助始まらず
  3. ORICON NEWS 『名探偵ピカチュウ』米興行、予想を上回る好成績 「ゲーム原作映画はヒットしない」定説を覆す?
  4. WEB CARTOP [譲らないのも道交法違反]後ろから速いクルマが迫ってきたときはどうする?
  5. 屋久島豪雨「命の危険感じた」 車中で一夜、下山の男性

編集部のオススメ記事

のマークについて

毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです