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「介護通じ日中の懸け橋に」 残留孤児2世の女性ヘルパーが奮闘

食事の介助をする小林百合子さん(左)と石沢さん夫婦=天童市で2019年4月10日17時1分、佐藤良一撮影

 中国残留孤児を支援する山形県の嘱託職員として働いてきた女性が、新たに在宅介護ヘルパーとなって奮闘している。自らも残留孤児2世の小林百合子さん(53)=山形市。日本語と中国語を話せるコミュニケーション力と、これまで培った孤児支援の経験を生かし、残留孤児を含む高齢者の介護に駆け回る日々だ。【佐藤良一】

 父が残留孤児で、高校まで中国・撫順市で暮らした小林さんは、1984年に家族と一緒に永住帰国した。その後、日本人男性と結婚。日本語を勉強しながら1男2女を育て、県の支援相談員兼通訳としては26年間、残留孤児を支えてきたが、昨年3月末で雇い止めとなった。

 次の仕事が見つからずに悩んだこともあったが、孤児らのために介護ヘルパーの資格を取っていたことが縁で昨年8月、山形市の訪問介護会社に入社できた。高齢化が進む孤児らの老後が念頭にあった。

 在宅介護ヘルパーとして1日平均7軒の高齢者宅を車で巡回。調理や洗濯、入浴の介助、おむつ交換など、生活のさまざまな場面でサポートする。「在宅介護は1対1だから、コミュニケーション能力が問われます」と強調する。

 天童市の残留孤児、石沢常義さん(80)の妻義代さん(77)は右半身に障害がある。ケアマネジャーを通じて在宅介護を依頼し、小林さんが担当することになった。日本語が苦手な石沢さんは「中国語で何でも相談できるから安心です」と感謝する。小林さんは現在、残留孤児と家族計4人を担当しており、「もし依頼があれば、介護の必要な孤児たちをもっと支えていきたい」と話す。

 一人っ子政策が長く続いた中国でも高齢化は課題で、介護の需要が高まっている。小林さんは今年2月、勤務先が派遣した訪中団の一員として北京市内の介護事業所や病院を見学し、通訳も務めながら現地の職員らと意見を交わした。中国では日本の在宅介護に関心が高く、来日して介護を学びたい若者も増えているとして、小林さんの勤務先は今後、中国人の研修受け入れを計画中だ。教える立場になる小林さんは「介護を通じて日中の懸け橋になりたい」と意気込む。

 今年3月、山形市内のホテルで高齢者福祉団体が「介護の魅力」をテーマに開いた研修会。「私だからできる介護」のタイトルで発表した小林さんは、「始めた時は不安でいっぱいでしたが、やりがいを感じています」と胸を張った。

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