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荒川洋治・評 『ぬけ穴の首 西鶴の諸国ばなし』=廣末保・著

 (岩波少年文庫・691円)

 元禄時代の名作が新しい文章でよみがえる。語りの順序を変えるなど新しい手法で、作品の魅力を届けてくれる。

 著者は近世の文学・文化論に新境地を開いた廣末保(一九一九-一九九三)。日本各地の奇談をもとにした井原西鶴(一六四二-一六九三)の短編集『西鶴諸国咄(ばなし)』などに収められた七作を改題し、子ども向けに書きあらためたものだ。

 冒頭の「牛と刀」(信濃)。たとえ牛を売ることになっても、この刀は「けっして手放してはならないぞ」と父は言い残す。どこにもある刀なのに。大切なものは何かをひとりで考えることに。「帰って来た男のはなし」(日向)は行方不明の人と入れ替わる男の遍歴。どの人がどの人かわからなくなるところがリアルだ。「お猿の自害」(筑前)は、若い夫婦の暮らしを支えてきた猿が、あやまって赤子を死なせてしまい、みずから死を選ぶ…

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