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再思三省

第74回 文語表現は要注意

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「再思三省(さいしさんせい)」とは何度も考え、何度も自らを省みること。実際に紙面に登場した事例などをひきながら、月1回、三つずつのテーマで気をつけたい事柄をつづっています。なお、この中には必ずしも一般的に間違いとはいえないものもあります。読者への配慮や紙面上の統一などの点から決めているものは、理由とともに示しています。

文法の誤りを憂える

 環境破壊を憂う声 → 憂うる声、憂える声

 文語の「憂う」のつもりなら「声」につながる連体形は「憂うる」、口語の「憂える」なら連体形も「憂える」です。口語で「憂う」(連体形も「憂う」)の形を認める辞書は珍しく、普通は文法違反と思われてしまいます。紙面では以前「亡き人にささぐ絵」はおかしい(→○ささぐる絵/ささげる絵)、と読者の方からご指摘を受けたこともありました。慣れない言葉を使って想定外のミスをせぬよう、無理に文語調にせず口語体で書くのもお勧めです。

勝手に現代語訳?

 ふるさとは遠くにありて思うもの → 遠きにありて

 こちらも文語の話。詩人・室生犀星の名作「小景異情 その二」の書き出しです。意味としては確かに「故郷は遠くにいて思い出すものだ」ということなのですが、原文は「遠き」にありて。これは文語の形容詞「遠し」の連体形で、「遠きところ」の「ところ」を略したものと考えられます。特に昔の文章を引用するとき、口語と同じような感覚で何となく書いてしまうと誤りがち。原典に忠実に一字ずつ確認することが必須です。

衆参で違う用語

 参院文部科学委 → 参院文教科学委

衆院・参院の常任委員会名は国会法で定められており、他にも「衆院外務委」「参院外交防衛委」、「衆院財務金融委」「参院財政金融委」、「衆院決算行政監視委」「参院決算委、行政監視委」など、似た名前の委員会が盛りだくさん。平成の初めにはこんな紛らわしいことはなかったのですが、参院改革による委員会再編や省庁再編を経て名称に微妙な違いが生じました。「参院は衆院のカーボンコピー」と皮肉られることもありますが、委員会名をコピー&ペーストすると間違えるかも。

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