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メディアの風景

短慮な「書き込み」拡散 ネットの特性理解し対応を=武田徹

 先月、東京・池袋で起きた乗用車の暴走事故に対するネットの反応は、いかにも“典型的”だった。

 たとえば運転者が逮捕されないのは彼が元高級官僚だったからと断定する。「運転者の親族に首相秘書がいた」と指摘し、森友・加計問題同様に警察は“政権の意向”を受けていたと書き込む……。

 ファクトチェック(事実検証)サイトによればネットで挙げられた「逮捕されない」理由に根拠はなく、名前が出た首相秘書も無関係な人だったという。だが、こうした確認や熟慮を欠く書き込みの拡散に国会議員も加担し、抗議デモへの呼びかけまでなされた。

 そんなメディアの風景を前にカナダ人の文明批評家マーシャル・マクルーハンの“予言”を改めて思う。新進のメディア論研究者として1960年代に脚光を浴びたマクルーハンは、ネット時代に先駆けてグローバルビレッジ(地球村)のビジョンを提唱していたとして最近、再評価されている。だが、彼はネット礼賛者が期待するほどバラ色の未来像を描いていたわけではなかった。

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