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東京へ ともに歩む

毎日新聞

相手とボールを奪い合う鳥海連志(左)=インドネシア・ジャカルタで、久保玲撮影

パラアスリート交差点

車いすバスケ・鳥海連志「やってみる」クラブチームは「楽しみながら上を目指す」場所

 天皇杯を懸けた車いすバスケットボールの日本選手権が10~12日、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザで開催され、僕の所属するパラ神奈川スポーツクラブ(SC)は前回の5位から4位に順位を上げました。でも、チームは優勝を目標に練習を積み重ねてきたので、さらにレベルアップを図りたいと思います。

     パラリンピックや世界選手権などで注目される日本代表とは異なり、クラブチームでの活動はあまり知られていないかもしれませんが、僕の車いすバスケの原点です。最初に練習を見学した佐世保クラブでのプレーは、今でも目に焼き付いています。今回は日本代表とはひと味違うクラブチームの日常を紹介したいと思います。

     藤沢市に拠点を置くパラ神奈川SCは、スタッフを含め約20人で活動しています。日本代表の古沢拓也もチームメートです。僕が長崎県から首都圏に拠点を移す際、プレーするクラブチームの候補をいくつか検討しました。決め手になったのは、自分の持ち味を生かせるフリーなバスケットスタイルを継続できる点でした。もちろんどのチームでもバスケが勝負事であることに変わりはありませんが、クラブチームには「楽しんでバスケができること」をより多く求めています。

     僕はチームの精神的な支柱であることと、試合で高いシュート確率を保つことを課題としています。依然としてチームでは最年少ですが、自分が日本代表で経験してきたことを周りにも生かしたいと思っています。試合で流れが悪い時の打開方法や効果的なプレーについてチームに発信し続けることが、選手一人一人のモチベーションを高め、一体感を生み出すことにつながります。そういう意味での精神的支柱でありたいと考えています。

     最近は国内チームの勢力図が変わり、大会でなかなか優勝できなくなったり、練習試合でも思うような結果が出せなかったりすることがありました。ある日のミーティングで「自分たちのプレースタイルとは何なのか」というテーマで話し合い、僕は「そういうプレースタイルなら、こういうカギがある」と提案しました。今では僕が練習のメニューを考えています。そうすることで「連志が頑張っているなら俺も頑張る」と言ってくれる選手が多くなりました。そういうことがチームの和や絆、一体感につながっているのかなと思います。

     日本代表として目指しているところは東京パラリンピックです。ただ、日本選手権は選手としての原点になっています。クラブチームで年に一度、チームが一つになって天皇杯を目指すことは、単純に楽しいです。一つのことに向かってみんなが熱くなるというスポーツの醍醐味(だいごみ)があります。障害者スポーツに理解をいただいたことによる天皇杯の大切さや目標としての大きさは、自分の中でも優先順位が高いです。「楽しみながら上を目指す」という自らの最大目標を胸に抱えながらプレーしました。

     そして、日本代表で学んだバスケをチームにも生かし、精神的支柱としての役割を果たそうと努力してきた僕にとっては、チームが単に日本選手権に出場するだけではなく、優勝するという目標を掲げて挑んだことが何よりもうれしかったです。クラブチームと日本代表で、それぞれの良さを学びながら、さらに飛躍したいと思います。

    元号が令和に変わりましたが、どんな時代にしたいですか?

     5月から社会人になり、時代としても自分の節目としても、新たなページに入りました。そういう意味ではとてもワクワクしています。バスケでは東京だけではなく、パリ、ロサンゼルスのパラリンピック出場を目指しています。そこで結果を残すことをテーマにしていきたいです。

     海外リーグへの参戦も視野に入れています。いろいろな出来事が待っていると思いますが、さまざまなことにチャレンジを続けていくことが、自分自身にとっての「令和」時代になると思います。

    ちょうかい・れんし

     長崎市出身。手や脚に先天性の障害があり、3歳で両膝下を切断。中学1年で車いすバスケットボールを始め、高校1年で日本代表入りした。2016年リオデジャネイロ・パラリンピック代表。17年のU23(23歳以下)世界選手権でベスト5(優秀選手)に選ばれた。WOWOW所属。20歳。