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東京へ ともに歩む

毎日新聞

1908年の第4回ロンドン大会で行われた綱引き=映画「東京オリンピックへの道」から

オリパラこぼれ話

過去の珍しい競技・種目 綱引きや芸術競技なども

 来年7月に開幕する東京五輪大会は過去最多の33競技339種目で競われる。8競技43種目で始まった近代五輪は、第1回アテネ大会(1896年)から120年以上の歴史が刻まれる中、珍しい競技・種目も存在した。

     まずは運動会でおなじみの「綱引き」。陸上種目のひとつとして第2回パリ大会(1900年)から第7回アントワープ大会(20年)まで、戦争で中止になった第6回ベルリン大会(16年)を除き、5大会実施した。1チーム8人などで競ったが、ひとつの国から複数チームが出場可能だったため思わぬ出来事も起きた。第3回セントルイス大会(04年)では開催国の米国の4チームと南アフリカ、ギリシャの計6チームが出場し、米国が1~4位まで独占した。次のロンドン大会(08年)でも5チーム中、3チームの英国が1~3位を勝ち取った。

     近代五輪初期に数大会だけ開催された競技・種目もあった。パリ大会では助走を付けずにその場でジャンプする立ち高跳びや立ち幅跳び、立ち三段跳びがあった。立ち高跳びと立ち幅跳びは4大会、立ち三段跳びは2大会で実施。ほかには、ラクロスが2大会、モーターボートは1大会のみで行われた。ポロはパリ大会から第11回ベルリン大会(36年)までに廃止と復活を繰り返し、計5大会で実施された。

     廃止された競技の復活を目指す動きもあった。綱引きは、来年の東京大会で開催都市が提案できる追加種目に、国際綱引連盟が応募したものの1次選考で漏れ、100年ぶりの復活はならなかった。

    1936年の第11回ベルリン大会の芸術競技で作品が展示された日本ブース。中央は力士の像。左端は銅メダルの鈴木朱雀の作品「古典的競馬」=高田正雄撮影

     一方、スポーツと芸術が調和する五輪の構想を持っていた近代五輪創始者のクーベルタンの働きかけで、第5回ストックホルム大会(12年)からはスポーツを題材にした建築、彫刻、絵画、文学、音楽の5部門の「芸術競技」が取り入れられた。日本は第10回ロサンゼルス大会(32年)から絵画部門などに参加。次のベルリン大会では絵画部門で日本の画家、藤田隆治の作品「アイス・ホッケー」と鈴木朱雀の作品「古典的競馬」がそれぞれ銅メダルの栄誉を獲得している。

     芸術競技は第14回ロンドン大会(48年)を最後に、審査が難しいことなどを理由に競技からはずされ、順位付けしない「芸術展示」に形態を変えた。現在は第25回バルセロナ大会(92年)から続いている「文化プログラム」に発展。五輪開催都市の組織委員会などがイベントを通じてさまざまな文化や芸術を紹介し、大会を盛り上げるための取り組みを行っている。【関根浩一】

    関根浩一

    毎日新聞オリンピック・パラリンピック室委員。1985年入社。東京本社事業本部、千葉支局、成田支局、情報編成総センターなどを経て、2017年4月からオリンピック・パラリンピック室。サッカー観戦が趣味でこれまで多くの日本代表戦に足を運んでいる。最近はスコッチのソーダ割りを飲みながらボサノバを聴くのが楽しみ。