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岡崎 武志・評『殴り合いの文化史』『世にも美しき数学者たちの日常』ほか

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今週の新刊

◆『殴り合いの文化史』樫永真佐夫・著(左右社/税別3700円)

 ソクラテス、ドストエフスキー、鉄腕アトム、三島由紀夫、たこ八郎と並べて、共通点が分かるだろうか。樫永真佐夫『殴り合いの文化史』に登場する人物で、彼らは殴り合った。これこそ古来より、人間の根源的な行為だというのだ。

 著者は、リングに立ったこともある人類学者。ボクシング史を中心に、スポーツ、娯楽、民俗学、動物行動学ほかを横断し「きわめて『人間的』な」拳のぶつかり合いを考察していく。

 ボクシングが「野蛮」という批判には、そこには他人への痛みに対する共感があり、その感性に「殴り合い」の根源を見る。行為は荒っぽいが、著者の眼差(まなざ)しはつねに繊細で、知識を総動員し、ユニークな文化史に仕上げた。

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