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初めてこのランの姿を見たのは、2016年5月13日でした。青葉がまぶしい初夏、南部町の南さいはく地区で、仲間と谷筋を歩いていた時のこと。地面から丈30センチほど伸びた見慣れない花に思わず足が止まりました。1センチくらいの小花が集まって、黄色い塔のように立ち上がっています。
かがんでその唇弁(しんべん)をよく見ると、白地の花弁に赤い斑紋が細かく散っていました。それがまるで笑っている人の顔に見える模様もあり、いい表情が他にもないだろうかと、ついついミツバチのように一つ一つの花びらをチェックしたくなりました。野生のランが自生しているということだけでも、うれしい出合いなのに、それが人生初対面という記念の思い出も重なりました。
しかし、ランの仲間の多くは乱獲や環境改変、鹿の食害などで、絶滅危惧種に指定されています。コケイランも同じく東京都ではすでに絶滅種扱いで、千葉、神奈川、埼玉など関東甲信越地方では、絶滅危惧1類のカテゴリーに区分され、危機的状況に置かれています。
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