連載

街角から

海外特派員がそれぞれの赴任先の「街角」で感じたことを届けるコラム。

連載一覧

街角から

宗教超えるカースト制 ニューデリー支局・松井聡

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷

 「我々ダリトの多くは土地を持たない農民。不作になれば借金を返せず死ぬしかない」。インドで社会問題化する農業労働者の自殺を取材しようと3月下旬に北部パンジャブ州を訪れた。ダリトはヒンズー教のカースト制で最底辺の「不可触民」を指す。地元NGO代表のジャイ・シンさん(64)は嘆く。だがシンさんが語るのは多数派のヒンズー教ではなく、シーク教の「ダリト」のことだ。

 同州に多いシーク教はヒンズー教とイスラム教を融合させた宗教で、信者はインド全人口の約1・7%。男性はターバンを巻くのが特徴だ。教義はカースト制を否定するが慣習としては存在する。シンさんは最底辺の「マザビ・シク」で、自分たちを「ダリト」と呼ぶ。この州は比較的裕福な農家が多いが、借金を苦にしたマザビ・シクの自殺は相次いでいる。

この記事は有料記事です。

残り210文字(全文552文字)

あわせて読みたい

注目の特集