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石川文洋さん「基地のない平和な島を」願い日本縦断挑む ゴールは古里・沖縄

「あるき旅」で淀川左岸の土手を進む石川文洋さん=大阪府守口市内で2019年2月28日午後、高尾具成撮影

 ベトナム戦争の従軍取材などで知られる報道写真家、石川文洋(ぶんよう)さん(81)=長野県諏訪市=が日本縦断に挑んでいる。現在地は熊本県。間もなく土を踏むことになる古里・沖縄では、県民投票で7割超が反対したにもかかわらず、米軍普天間飛行場の辺野古移設に伴う埋め立て工事が続く。15日は本土復帰から47年。「基地のない平和な島を」。切なる願いを胸に、一歩ずつゴールを目指す。【高尾具成】

 石川さんは那覇市首里生まれ。4歳で本土に移住した。当時のあだ名は「オキナワ」だったという。予備校生時代にニュース映画の助手の仕事に出合ってカメラマンを志した。以後、ベトナムをはじめ世界の紛争地から戦争の愚かさを伝えてきた。

 日本縦断は日本海側をたどった2003年に続いて2度目。今回は太平洋側で、昨年7月に北海道・宗谷岬を出発した。11月に到着した福島では、東京電力福島第1原発事故の被災者とともに帰還困難区域もたどった。「不条理感を抱える住民の思いに触れ、沖縄と重なる部分も見えてきました」

 翌12月、政府が辺野古沿岸部で土砂投入を始めると、旅を中断して、急きょ現場近くに駆けつけた。「仲間たち」が続ける座り込みや海上抗議活動を撮り、土砂投入も記録した。「『美(ちゅ)ら海』が無残なさまで、泣いているようでしたよ。この悲鳴は安倍政権の人たちには聞こえんのでしょう」

 今年2月、辺野古の埋め立てを巡る県民投票で「反対」が多数を占めた。それでも辺野古移設を進める政府を見ていると、1972年5月15日の風景が浮かぶ。あの日、「本土並み」を求めて米国統治から本土復帰を果たした島に祝いの光景はなかった。基地撤去や経済格差の是正など県民が求めた大半がほごにされたからだ。「以来、沖縄の民意は繰り返し、無視され続けてきました」

 一方、ベトナム戦争では沖縄から飛んだ爆撃機が現地に大量の爆弾を投下し、罪のない子どもや老人らを殺害した。「『どんな戦争にも加担したくない』『加害の島になりたくない』という気持ちが沖縄の人々にはあるんです」

 次世代に基地や核、戦争のない世界を届けたいと思う。重さ約10キロのリュックを背負い、首からカメラを下げる。写真を撮り続け、歩みをやめぬ姿は「あきらめない」という島の未来へのメッセージでもある。

 15日は熊本県水俣市で迎えた。水俣病の認定患者の家族と会い、ベトナム戦争の枯れ葉剤被害と重ねながら改めて平和を考えた。5月下旬には沖縄に渡って辺野古などを巡り、ゴールの那覇に到着する予定だ。「沖縄は大丈夫ですよ。あきらめない歴史を刻んできましたから」。故郷は近い。

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