メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

スミレの香り

/1 馳星周 画 田中靖夫

 1

「カム」

 すべての用具を片付け終えると、わたしは駐車場に向かって声を上げた。

 ワンボックスカーを改造して作ったキャンピングカーはドアが半分開いたままになっている。その隙間(すきま)からカムイが飛び出てきた。わたしめがけて一目散に駆けてくる。

 すでに日は沈み、辺りには人間はおろか、生き物の気配もない。丘の上に広がる草原にいるのはわたしとカムイだけだ。

 わたしは駆けてきたカムイを抱きとめ、頭から背中にかけてを大げさに撫(な)でてやった。

この記事は有料記事です。

残り680文字(全文900文字)

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 名阪国道、奈良知事が異例の有料化要望 トラック流入で事故や渋滞多発

  2. 死因は脳挫滅 生きたまま東尋坊転落か 滋賀トランク監禁事件

  3. TBS、やらせあった「消えた天才」「クレイジージャーニー」放送終了

  4. 記者も身を寄せた避難所 「体育館で雑魚寝」でいいのか

  5. 近鉄特急にはねられフィリピン女性死亡 東大阪・東花園駅

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです