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幻の科学技術立国

「科学技術創造立国」を目指してきた日本は、中国など新興国が急速に台頭してくる中で存在感を失いつつあります。現場を歩きながら衰退の原因を探り、再生の道を考えます。

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第4部 世界の潮流/7止 北極圏権益、中国が攻勢 アイスランドに豪華大使館

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アイスランド・レイキャビクで威容を誇る中国大使館=3月11日
アイスランド・レイキャビクで威容を誇る中国大使館=3月11日

 <科学の森>

各国、資源・航路に熱視線

 ●温暖化で氷解け

 5階建ての黒塗りのビルの正面に、五星紅旗がはためく。北極圏に面したアイスランドの首都・レイキャビクの大通り沿いに7年前に完成した中国大使館を、地元住民は「ブラックキャッスル(黒い城)」と呼ぶ。人口35万人の小国に置かれた大使館としては、ひときわ豪勢で異彩を放つ。

 鉄条網のある柵や随所にある監視カメラからはものものしい雰囲気が漂うが、1階のホールでは住民らを招いた催しがたびたび開かれるという。昨秋、中国文化を紹介する「チャイナ・ナイト」に参加したという元教師のヘルギ・グリムリノソンさん(68)は「中国舞踊を初めて鑑賞し、楽しかった」。近くで飲食店を営むユナ・オウガストソンさん(33)は「市内に居住する中国人が増え、団体で来てくれる」と喜んだ。

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