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送電網増強 大手電力負担で 再エネ融通 経産省方針

地域間連系線の増強計画

 経済産業省は16日、太陽光など再生可能エネルギーの電力を広い地域で効率的に利用するため、北海道・東北間と、東北・東京間を結ぶ送電網の増強費用を全国の大手電力会社で分担する仕組みを導入する方針を示した。費用は800億円に上る見通し。再エネ普及のため、全国一律で国が電気料金に上乗せして徴収している賦課金などを財源にする方向だ。

 北海道や東北は広い土地があり、太陽光、風力など再エネ発電の施設が今後増えることが見込まれる。だが人口が少なく発電しても消費しきれないため、政府は人口が密集した関東に送電して効率的な利用を進めたい考え。

 これまで連系線の増強費は線の両端の大手電力が負担していたが、全10電力が分担することで、規模の小さな電力会社も増強をしやすくする。16日に経産省内で有識者らを集めて会合を開き、分担の詳細について議論を始めた。

 今後は再エネを取引する事業者が増え、全国の電力会社が安く調達できるようになり、二酸化炭素の削減につながると期待されている。再エネ普及の恩恵は発電所がある地元や消費地だけでなく、全国に及ぶとして、増強費は全国の消費者と大手電力10社が負担する方式にする。

 北海道・東北間は発電容量を現在の90万キロワットから120万キロワットに増強する。完成時期は未定で費用は約430億円を見込む。東北・東京間は2027年までに573万キロワットから1028万キロワットに増やす計画。工事費は約1500億円。

 10社で分担するのは北海道・東北間の全額と東北・東京間の約350億円の計約800億円。他の地域間連系線でも増強費を上回る効果が確認できれば、全国負担の仕組みを取り入れて整備を進める考えだ。

 現在、国内の送配電網は電力大手10社が管轄エリアごとに整備している。沖縄電力を除く9社は連系線でつながり、緊急時に電力を融通するなどしている。沖縄電力管内は連系線がないため、負担を軽減する。

 九州電力管内では昨年、太陽光発電の発電量が増え過ぎて一時的に止める「出力制御」を離島以外で初めて実施した。余剰電力を九州と本州を結ぶ「関門連系線」の送電容量を増やしても、現状では効果が薄く、連系線増強は難しいという。【中津川甫、杉山雄飛】

ことば「地域間連系線」

 大手電力会社がそれぞれの供給地域をまたいで電気をやりとりするための送電線。災害や事故が発生した際に連系線を通じて電力を融通することで停電を防ぐ。北海道と本州を結ぶ「北本連系線」や九州と本州を結ぶ「関門連系線」など国内10カ所に整備されている。

 電力の供給量が使用量を大幅に上回ると、大規模停電(ブラックアウト)に陥る恐れがある。電力会社はこうした事態を回避するため、太陽光など再生可能エネルギーの事業者に一時的な発電停止を求める「出力制御」を行うことがある。連系線を増強すればエリア間で融通する電気が増えて、出力制御も起こりにくくなる。政府は連系線の増強で再生エネルギーを普及させたい考え。

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