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余録

お酒や食品、グッズ販売など令和の新元号にあやかった…

 お酒や食品、グッズ販売など令和の新元号にあやかったビジネスが花盛りだが、この商法、昔もあったらしい。江戸時代の明和から安永への改元時の便乗商法は、今日まで続く大ヒット食品を生み出した▲明和9(1772)年の安永改元は「めいわく」と読まれた年に江戸の大火があったことによるものだった。諸物価は高騰、この時に新元号にあやかって「安くて長きはさんまなり」と壁に大書してサンマを売り出した魚屋があった▲以前の小欄でも紹介したこのキャッチコピー、それまで油採り以外にかえりみられなかったサンマを一挙に庶民の食卓に普及させた。毎年10月、房(ぼう)州(しゅう)から大量に河岸に運ばれるサンマは江戸っ子には欠かせない「秋の味覚」になった▲さて話を聞いて、もしやサンマも「夏の味覚」になるのかとびっくりした。今まで8~12月に制限されていたサンマ漁の通年操業が認められるようになり、今月から北太平洋の公海へ向け北海道や東北の漁船の出漁が始まったからだ▲操業制限撤廃や公海への出漁はサンマの回遊が激減している日本近海の不漁のためという。当面は燃料代のかさむ公海への出漁は一部にとどまり、多くの漁船は従来の漁期に近海で操業するようだ。ともあれ心配は資源の枯渇である▲水産庁は資源量に応じた漁獲枠は守ると説明し、また夏のサンマは主に加工品にされるという。おいしいサンマの旬はやはり秋ということか。安永のご先祖から引き継いだ食の富を令和で絶やすわけにいかない。

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