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社説

渋谷の路上飲酒禁止 縛られる前にまず自制を

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 東京都渋谷区が、渋谷駅前のスクランブル交差点周辺などの中心部で、路上飲酒を禁止する条例を制定する方針を固めた。

     規制のきっかけは、ハロウィーンだ。ここ数年、10月下旬のハロウィーンの時期、さまざまな衣装をまとった若者が渋谷に集まる。その際、酒を飲んだ上での犯罪や迷惑行為が横行している。

     昨年は酒に酔った男たちがセンター街で軽トラックを横倒しにする事件が起きた。窃盗や痴漢、盗撮などの逮捕者は20人以上に上った。

     渋谷区は地元関係者を入れた検討会で対応策を議論してきた。その提言を受け、ハロウィーンなどの時期に限って、路上飲酒を禁止する条例案を6月の区議会定例会に提出する予定にしている。

     外で酔って人に迷惑をかけないことは当たり前の公衆道徳だ。本来、規制にはなじまない。

     今回、規制の動きが具体化した背景には、渋谷の町が持つ特殊性がある。サッカー日本代表戦後に集まり、戦いの余韻を共有するなど若者にとって渋谷は、同世代とつながることができる特別な町だ。

     それを勘違いして、一部の若者の間で、渋谷は目立つことができる場所、無軌道なことをしても許されるといった誤った考えが広まっている懸念が拭えない。

     昨年のハロウィーンでは、商店などのシャッターが壊される被害が相次いだ。集団心理の中で暴徒化したことをうかがわせる。

     昨年のような混乱が再び起こり、訪れる人や地元住民の安全が脅かされることがあってはならない。野放図な若者の行動が繰り返されないようにするため、条例など公的なルールを作って一定の抑止力とすることは理解できる。

     ただし、多くの人は楽しむために渋谷の町を訪れる。節度を守れば自由であるはずの飲酒の規制は、時期を特定し、路上や公園など公共的な場所にとどめる程度でいい。また、違反者に罰則まで科すことは必要ないのではないか。

     若者にとって、行きたい町に行くことのハードルが高くなることは決して望ましいことではないはずだ。度を越した行動を慎み、縛られる前にまず自制すべきだ。

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