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社説

米露の核軍縮協議開始 無秩序を避ける歯止めに

 米露両政府が核軍縮の協議を開始することで合意した。米露という核超大国が無秩序な核軍拡競争に陥らないよう取り組むべきだ。

     ポンペオ米国務長官がロシアでラブロフ露外相と会談して確認した。プーチン露大統領とは関係の「再構築」を図ることで一致したという。

     トランプ米大統領が昨年秋、中距離核戦力(INF)全廃条約の破棄を一方的に宣言し、プーチン氏も離脱を決めたため、米露の核管理体制は大きく揺らいだ。両国が軍縮に再び向き合うことは評価できよう。

     合意したのは、2021年2月に期限切れとなる新戦略兵器削減条約(新START)の延長交渉だ。作業部会を置いて協議するという。

     条約は大陸間弾道ミサイルなどに搭載する核弾頭を1550発以下に制限するのが柱だ。両国はすでに目標を達成したと主張している。

     しかし、今年8月に失効するINF条約に続いてこの条約も失効すれば、米露の核管理の枠組みはなくなる。核軍拡を進める口実になりかねない。条約の延長を確実にしたうえで、一段の削減を目標とすべきだ。

     ただし、現実に照らして核軍縮を考えるとき、核心的な課題は短・中距離の核戦力をどう抑止するかだ。

     米露は核搭載型の巡航ミサイルや短・中距離弾道ミサイルの開発や配備を進めている。INF条約が失効すれば野放しになるおそれがある。

     米露会談では、ポンペオ長官が新STARTの延長問題に加え、「より広範な軍縮」を提起した。ロシアは延長交渉を優先させる構えだ。

     米国は中国も参加した多国間の軍縮条約に意欲を示す。中国は米空母の接近を阻止する能力を持つ対艦弾道ミサイルを配備している。

     中国は参加に否定的だが、いずれ中国を巻き込んだ軍縮交渉が必要になろう。中国が参加しなければ米露の削減も停滞しかねない。

     国際的な核軍縮の枠組みである核拡散防止条約(NPT)は、核保有国を米英仏中露に限定する一方、この5カ国に軍縮義務を課す。

     先のNPTの準備委員会で強化策のたたき台をまとめられなかった一因は、軍縮が進展しない核保有国に対する非核保有国の反発がある。

     世界の9割超の核兵器を持つ米露の責任は、ひときわ重い。

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