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社説

食品ロス削減推進法案 暮らし変える重要な一歩

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 食品ロスと呼ばれる廃棄食料を減らすための食品ロス削減推進法案が今国会で成立する見通しとなった。

 2016年度にまだ食べられるのに捨てられた食料は643万トンと推計されている。国民全員が毎日、ご飯を茶わん1杯分捨てた計算だ。

 国連の持続可能な開発目標(SDGs)は1人当たりの食料廃棄を30年までに半減させる目標を掲げている。法制定は国内での重要な一歩と言っていい。

 法案は超党派の議員連盟がまとめた。ロス削減を国民運動とするとともに、政府に基本方針策定、自治体に推進計画策定、事業者には施策への協力を求めている。

 重要なのは消費者にも自主的な取り組みを促した点だ。

 国内のロスのうち、家庭で生じたものが約半分を占める。賞味期限を過ぎたものをまだ食べられるか確かめずに捨てる人も多く、消費者の意識改革が課題となっている。

 消費者意識は事業者にも影響し、賞味期限前に食品を店頭から撤去する慣習が食品業界にある。これまでも国は食品リサイクル法で事業者に廃棄の削減を義務付けるなど対策を講じてきたが、ロスの総量は近年、横ばいを続けているのが実情だ。

 法案は単に食料がもったいないという趣旨で作られたのではない。国と自治体に対し、貧困世帯に食料を提供する「フードバンク」活動の支援も促している。

 食料が捨てられる一方、別の所では不足する不均衡を是正しなければならない。国内で子どもの7人に1人が貧困と言われる現状が法案の背景にはある。

 法案は基本的な理念を中心に定めており、どう実効性を持たせるかは成立後の課題だ。貧困世帯へ食料を届ける仕組みをどう構築していくかも重要となる。

 事業者には新たな動きもある。セブン-イレブン・ジャパンは消費期限の迫った弁当などを販売する際、顧客にポイントを還元する仕組みを全店に導入する。法がこうした流れを後押しすることも期待される。

 法に基づき、ただ啓発するだけでは暮らしは変えられない。事業者に具体的な取り組みを義務付け、消費者を運動に巻き込む施策を積み重ねていくことが大事だ。

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