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記者宅を家宅捜索 米加州警察 捜査報告書入手で トランプ政権の影響か

ハンマーを持ってジャーナリストのブライアン・カーモディ氏宅の捜索に入る警察官らを記録した監視カメラ画像=カーモディ氏のツイッターより

 【ロサンゼルス福永方人】米西部カリフォルニア州サンフランシスコ市で、弁護士の変死をめぐる地元警察の捜査報告書を入手したジャーナリストが、警察から取材源を明かすよう求められ拒否したところ、今月10日に家宅捜索を受けパソコンや携帯電話などを押収された。リベラルな同州で当局による報道関係者への抑圧的な措置は異例で、メディアを敵視するトランプ政権の影響拡大を懸念する声が上がっている。

今年2月に米西部サンフランシスコ市内で変死した公選弁護人のジェフ・アダチ氏。死亡に関する捜査報告書のリークが騒動となっている=同市で2012年3月、AP

 今年2月、市内の住宅で公選弁護人の男性が倒れ、搬送先の病院で死亡した。フリージャーナリスト、ブライアン・カーモディ氏(48)が入手した報告書には、男性が倒れた際、妻ではない女性と一緒にいたと書かれていた。また、現場に残された酒の空き瓶や大麻成分を含むグミなどの写真も含まれていた。同氏は報告書を地元テレビ局に売り込み、死亡の2日後にその内容が報じられた。

 男性は警察に批判的な姿勢で知られており、遺族や市議会は警察が男性の評判をおとしめるため組織的に報告書をリークしたと主張し、強く批判した。危機感を強めた警察は流出元を突き止める内部調査を開始。4月にカーモディ氏を訪れて取材源の開示を迫ったが、同氏は拒否した。するとハンマーと銃を手にした警察官ら約10人が同氏の自宅と事務所を捜索し、報告書と取材道具を押収した。

今年2月に米西部サンフランシスコ市内で変死した公選弁護人のジェフ・アダチ氏(左手前)。死亡に関する捜査報告書のリークが騒動となっている=同市で2015年7月、AP

 ジャーナリスト歴29年というカーモディ氏は、毎日新聞の取材に「6時間近く手錠をかけられ、最も大切な取材ノートまで持っていかれた。取材源を明かすわけがない。警察は本当に狂っている」と怒りをあらわにした。

 警察は「部外秘の報告書を公開した犯罪に関する捜査で、市民や政治家もリークに関する徹底捜査を求めている」との声明を出したが、違法とみる根拠を問う毎日新聞の取材には応じていない。

 プロフェッショナル・ジャーナリスト協会は12日、「(報道の自由を定めた)米国憲法修正第1条や、カリフォルニア州法が保障する取材源秘匿の権利に対する攻撃だ」と警察を非難する声明を出した。地元紙サンフランシスコ・クロニクルのオードリー・クーパー編集長は「未公開情報の報道が違法なら社員全員が刑務所にいる」と反発した。

 ワシントン・ポストは、トランプ大統領が自身に批判的な報道を「フェイクニュース」と決めつけ、リークを激しく非難するなか、米国全体でジャーナリストへの風当たりが強まっていると指摘。「トランプ政権の反メディア感情がリベラルなサンフランシスコの当局にまで広がっているのかもしれない」という識者の懸念を伝えた。

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