毎日新聞
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有害廃棄物の国際的な移動を規制するバーゼル条約の締約国会議で、汚れたプラスチックごみを輸出入の規制対象とすることが決まった。
日本がノルウェーと共同で提案していた。2021年に発効し、相手国の同意がない輸出は禁止される。
日本を含む条約の締約国は、プラごみの排出量削減と国内処理の促進が求められる。プラスチックに依存した暮らしを見直す契機としたい。
規制の背景には、東南アジアなどに輸出されたプラごみが、適切な処理がなされないまま海に流出し、汚染が拡大していることがある。
海のプラごみ対策を進める「海洋プラスチック憲章」が、昨年の主要7カ国(G7)首脳会議でまとまった。しかし、日本は署名せず、批判を浴びた。今回、条約見直しを提案したことで、世界の対策を主導する責務を負ったと言えるだろう。
日本国内では年間約900万トンのプラごみが発生している。有効利用率は8割を超えるとされるが、焼却時の熱回収やリサイクル名目での海外輸出に依存してきたのが実情だ。
17年末、環境保護を理由に中国がプラごみの原則輸入禁止に踏み切った結果、国内では未処理のプラごみがあふれる事態となっている。
環境省はプラごみの破砕や洗浄、原料化など高度なリサイクルを行う事業者に、施設整備の補助金を出している。当面は、事業者の協力も得て処理態勢を強化するしかない。
だが、長期的には、プラスチックの使用量を減らす施策が不可欠だ。
ペットボトルの購入時に預かり金を払い、返却時に預かり金が戻るデポジット制度や、使い捨てプラスチックの法規制も検討すべきだ。
環境省は、プラスチック資源循環戦略を策定中だ。30年までに使い捨てプラスチックの排出量を25%削減し、35年までにプラごみの100%有効利用を目指すなど、G7の憲章が掲げる目標を前倒しで実現することを掲げている。施策の具体化を急がなければならない。
日本は国民1人当たりの使い捨てプラごみの発生量が世界第2位だ。
レジ袋有料化などの取り組みが広がりつつある。消費者の意識変革につながることが期待できる。しかし、プラごみの発生量や使用量の削減には、それで十分とは言えない。
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