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今週の本棚

張競・評 『セレモニー』=王力雄・著、金谷譲・訳

 (藤原書店・3024円)

AI技術が悪用される未来図描く

 息がつまるような筋の運びと、周到な計算にもとづく物語構成の妙に久々に昂奮(こうふん)した。

 主人公の李博は中国共産党中央国家安全委員会のシステムエンジニアである。田舎の出身ながら、苦学して首席で大学に入り、北京で国家公務員の職を見つけた。欧州留学帰りの女性と結婚し、一女をもうけた。マイホームも手に入れ、はた目には立志伝中の人物だ。しかし、彼は人に言えない悩みを抱えている。夫婦生活が思うようにいかないからだ。そのことは幸せそうに見える日常に暗い影を落としている。

 彼は情報管理センターでSIDというプロジェクトの責任者である。SIDとはすべての靴に埋め込まれるICチップのことで、収集された情報はIoSという秘密のインターネットを通して管理されている。市民生活を監視するために作られたもので、その存在は国家の最高機密だ。

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