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藤原帰一の映画愛

マルリナの明日 日常化した性暴力描く「ナシゴレン・ウェスタン」

 インドネシアから届いた、女性をヒーローとするウェスタン仕立ての映画。1960年代後半のイタリアで、数多くつくられた西部劇はマカロニ・ウェスタン、アメリカではスパゲティ・ウェスタンなどと呼ばれましたが、それに倣ってか、この映画はナシゴレン・ウェスタンとかサティー・ウェスタンとして紹介されています。

 観(み)てみると、女性ヒーローがマカロニ・ウェスタンの名作「夕陽のガンマン」のように馬に乗ってひとり荒野を行きますし、エンニオ・モリコーネそっくりの音楽も使われている。だからウェスタンを意識していることは間違いありませんが、それだけの映画と考えてはもったいない。今年公開されたなかでも有数の作品です。

 映画は果てしなく広がる荒れ地の映像から始まります。そのなかの一軒家にひとりで住む女性、マルリナの元…

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