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社説

ふるさと納税の新制度 返礼3割でも矛盾は残る

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 税制をゆがめる欠陥がこれで是正されたとは言えまい。

 ふるさと納税の新制度が来月からスタートする。返礼品は寄付額の3割以下の地場産品に限定され、対象となる自治体は事実上、総務省の認可制となる。

 これまで過剰な返礼品などを送ってきた大阪府泉佐野市など4市町はこの制度から除外される。このため、寄付をしても税の優遇措置は受けられなくなる。

 寄付集めの返礼品競争が過熱しているため、総務省は調達費が3割を超えぬよう自治体に求めてきた。だが結局、法律で強制せざるを得なくなった。苦しまぎれの策である。

 4市町が制度から除外されるのは、総務省の要請に従わなかったためだ。泉佐野市はネット通販アマゾンのギフト券によるキャンペーンなどで昨年度、市税収入の約2・5倍にあたる500億円近い寄付を集めた。異常な手段で他自治体の税を横取りした以上、除外は当然だろう。

 新制度で競争が沈静化することを総務省は期待する。だが、寄付と相いれない返礼品を認める限り、矛盾は解消しない。

 ふるさと納税の寄付は2017年度に3600億円に膨らみ、18年度分はさらに拡大しそうだ。自治体を善意で応援する趣旨から逸脱し、返礼品のネットショッピング化し、いびつに膨らんだためだ。寄付の約1割は仲介サイトへの手数料などの経費に使われている。

 返礼品の上限を寄付の3割とした根拠はそもそも乏しい。だが、基準とした以上、寄付と本来無関係な返礼品に逆にお墨付きを与えることになってしまう。富裕層の節税対策などに活用される弊害は続く。

 東京都は新制度への不参加を表明した。小池百合子知事は巨額の税収の移動が「受益と負担の原則に反する」と批判している。税収を地方に奪われる大都市の意見を代表したものだが、実態はその通りだろう。

 今後、調達費が3割以下かどうかの算定をめぐり、総務省と自治体の間で意見が食い違う可能性もある。

 そんな基準を強制してまで、返礼品を維持する理由は見いだせない。やはり見返り抜きで、故郷の応援や被災地の救援に役立てる純粋な寄付制度に改めるべきだ。

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