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健常者目線で海外旅行を 九国大学生ら座面上がる電動車いすの商品化目指す 

最大約80センチ昇降する「ペガサス」=北九州市八幡東区の九州国際大で、宮城裕也撮影
モニターツアーで使用された「ペガサス」=北九州市の九州国際大で、宮城裕也撮影

 車いすを利用する人に健常者と同じ目線で海外旅行を楽しんでもらおうと、九州国際大(北九州市八幡東区)の学生たちが、電動で座面が上がる車いすを使った海外ツアーの商品化を目指している。3月には初のモニターツアーがオーストラリアで実現。成果と課題を得た学生らは21日、北九州市で協賛企業への報告会を開き、夢への思いを語る。

     現代ビジネス学部で福島規子教授(観光学)のゼミに所属する3年の男子学生4人。3年前のゼミ生が婚礼用に開発した電動車いす「ペガサス」の活用策として、車いすの人に健常者が同行する海外旅行プラン「ペガサス・ボヤージュ」を企画した。福島教授によると、車いすの人が健常者の目線で旅行できる企画は全国初という。

    ペガサスに乗って学生と共にバーのカウンターで注文する矢野さん(右)=九州国際大福島ゼミ提供

     モニターツアーは西鉄旅行(福岡市)の協力を得て、3月14日から4泊7日の日程で実施。応募者から選んだ鹿児島県錦江町の矢野剛教(まさたか)さん(31)に学生4人が同行し、バリアフリー環境が整うシドニー市街地を巡った。

     座面が最大約80センチ昇降するペガサスに乗った矢野さんは、学生たちと同じ目線で美術館の展示作品を見たり、バーのカウンター越しに注文したりでき、「同じ雰囲気で楽しんでいるという一体感が持てた」。移動には、人力車のように引ける補助器具「JINRIKI」も使い、矢野さんは市街地でショッピングや散策も満喫した。

     ただ、実際に観光地を巡ることで課題も見つかった。もともと室内用のペガサスは駆動力不足で1日の半分も使えず、屋外仕様への改良が必要だと分かった。ペガサスの穴を埋めたのは、全員がサービス介助士の資格を持つ4人のマンパワー。動物園では、矢野さんの両脇を支えてコアラと記念撮影した。

    美術館でペガサスの座面を上げ、健常者と同じ目線で作品を鑑賞する矢野さん=九州国際大福島ゼミ提供

     衛藤羽篤(はあつ)さん(20)は「段差や障害物など行き先に何があるか細かく声をかけ、不安を取り除く気配りをもっと心がけたい」。脳性まひで車いすを使う矢野さんは「予想外の場面でどうするか不安もあったが、細かいところまで話し合って案内してくれた。道具も大事だが、結局よりどころは人なんだと感じた」と4人に感謝した。

     報告会は21日午後7時から、北九州市小倉北区の社会起業大学九州校で。リーダーの徳永亮太さん(20)は「アクシデントもあったが、課題を克服すれば必ず商品化できると感じた」と自信を持って臨む。【宮城裕也】

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