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アフリカ豚コレラの上陸を阻止せよ 成田空港などで探知犬増やし検疫強化

検疫探知犬を写真で紹介し、肉製品の検査を呼び掛けている=成田空港で、中村宰和撮影

 アフリカ豚コレラを水際で阻止せよ――。農林水産省動物検疫所は、強い感染力を持つ家畜伝染病「アフリカ豚コレラ」を日本に侵入させないため、4月下旬から成田空港(千葉県成田市)など全国の空港や港などで、感染源となる肉製品の持ち込み禁止の検疫対応を強化している。違反者に警告書を出し、極めて悪質な場合には警察に通報する。旅客の荷物から禁止品を探し出す検疫探知犬を2月に成田空港と関西空港で2頭ずつ増やし、態勢の充実も図っている。【中村宰和】

 対応の強化が始まった4月22日、タイ・バンコクから成田空港に航空機が到着すると、探知犬が旅客の荷物の周りを素早く動き、においを嗅いだ。持ち込み禁止品のにおいに反応すると、荷物の前でお座りして合図。係員が荷物を開けると、ソーセージを挟むパンや豚肉入りのパイ計16個が出てきた。所有者のタイ人男性は説明を受け、「知らなかった」と話した。

荷物から見つかったソーセージを挟むパンや豚肉入りのパイ、鶏肉のガパオライス=成田空港で、中村宰和撮影

 肉製品の発見には探知犬が重要な役割を果たし、成田空港の8頭を含め、全国8カ所で33頭が活躍している。

 動物検疫所によると、アフリカ豚コレラに感染した豚とイノシシの致死率は100%に近い。ワクチンがなく、治療法は確立されておらず、5月19日現在、世界51カ国・地域で発生している。国内では今のところ確認されていないものの、2018年10月以降、肉製品から計34例のウイルスの遺伝子が見つかった。今年1月には、中国便の旅客が中部空港に持ち込んだソーセージから、感染力のある生きたウイルスが初めて確認された。

 肉やハム、ソーセージなどの畜産物には伝染病のウイルスが含まれる可能性があり、家畜伝染病予防法に基づき、日本への持ち込みを原則禁止している。違反者には3年以下の懲役または100万円以下の罰金が科される。禁止について知らない旅客が多く、18年に肉製品を持ち込もうとした事例が9万3957件に上り、中国が半数近くで、ベトナムや韓国と続く。係員が肉製品を見つけると、旅客に任意で放棄するよう求め、注意喚起書を渡す。「納得できない」などと主張する旅客もいて、係員と約2時間にわたってもめるケースもあるという。

旅客の荷物に鼻を近づけ、においを嗅ぐ検疫探知犬=成田空港で、中村宰和撮影

 農水省動物衛生課によると、過去10年に肉製品の持ち込みで立件されたのは3件のみ。対応を強化するため、量の多さや商売用の持ち込み、荷物に巧妙に隠すなど悪質と判断した場合は警告書を出すことにした。旅客のパスポート情報を登録し、違反を繰り返すなど悪質な場合は警察に通報する。警告書は、対応を強化した4月22日~5月19日に、全国で149件(うち成田空港は86件)出された。

 動物検疫所の伊藤和夫所長は「国内に侵入すると、豚の農家が壊滅的な被害を受け、日本の食生活に大きな影響を及ぼす。協力しながら病気を防ぐことが大切になる。(肉製品を)持ち帰らないようにしてほしい」と話している。

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