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向日市は20日、国史跡の乙訓古墳群に属する「五塚原(いつかはら)古墳」と「寺戸大塚(てらどおおつか)古墳」(共に同市寺戸町芝山)を調査・活用するため、市有地として買い上げると発表した。五塚原古墳は「魏志倭人伝」に記された邪馬台国の女王・卑弥呼と同時代に当たる3世紀中後期の築造とみられており、安田守市長は取材に対し、「卑弥呼の時代の古墳とみられ、全容を解明した上で、将来的には観光資源となるよう整備していきたい」と述べた。
五塚原古墳は全長91・2メートルの前方後円墳で、これまで市教委などによる10次にわたる部分的調査で、前方部が三味線のバチのように広がる初期古墳の特徴を持つことをはじめ、葺(ふ)き石列や竪穴式石室の存在などが確認されている。石室内の調査はこれからで、本格的な発掘調査が期待される。
一方、寺戸大塚古墳は全長98メートル、4世紀の前方後円墳で、大正時代から昭和40年代にかけての調査で三角縁神獣鏡などが出土。現状では前方部分の大部分が竹林となり、原形が失われている。京都市との境界上にあり、京都市域分は既に公有化されている。
向日市では、大半が民有地となっている両古墳の敷地計約3万4000平方メートルを買い上げるため、約3億5000万円を今年度一般会計補正予算案に計上。今後、必要な調査を実施した上で、築造時の姿を復元した歴史公園としての整備を検討する。【澤木政輝】
〔京都版〕