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武田 砂鉄・評『牙 アフリカゾウの「密猟組織」を追って』三浦英之・著

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買う人がいなければ殺されることはない

◆『牙 アフリカゾウの「密猟組織」を追って』三浦英之・著(小学館/税別1600円)

 書籍の中間部に差し込まれたカラー写真を見て、言葉を失う。ケニアの国立公園に生息していた人気ゾウ「サタオ」があたかも巨岩のようにうずくまり、死に絶えている。巨大な牙を奪い、大金に変える密猟者によって、顔面がえぐり取られていた。

 1940年代には500万頭いたとされるアフリカゾウが、2010年代には約50万頭にまで激減した。象牙を「成功の証」として買い求める中国、そして印鑑用に使用する日本など、異国の人々のステイタスのために、顔をえぐられ、捨てられるゾウたち。1頭仕留めれば一年分の年収が稼げるとなれば、子ゾウでさえも容赦無く殺(あや)める。

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