連載

記者の目

最前線の記者がそれぞれの取材テーマを論じます。1976年にスタートした毎日新聞を代表するコーナー。

連載一覧

記者の目

仲邑菫さんと囲碁界の課題 世界で戦える体制の強化を=最上聡(和歌山支局、前東京学芸部)

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
本因坊文裕(左)と山下敬吾九段の対局後の検討を見守る仲邑菫初段(右奥)=大阪市の日本棋院関西総本部で4月1日、最上聡撮影
本因坊文裕(左)と山下敬吾九段の対局後の検討を見守る仲邑菫初段(右奥)=大阪市の日本棋院関西総本部で4月1日、最上聡撮影

 囲碁の史上最年少棋士、仲邑菫(なかむらすみれ)初段(10)はプロ入りした4月1日、勉強のために大阪市北区の日本棋院関西総本部に来ていた。この日打たれた本因坊文裕(もんゆう)(29)=井山裕太九段=と山下敬吾九段(40)のトップ棋士同士の対局。仲邑初段は棋士控室で対局内容の検討に加わり、終了後には対局室に入って二人の感想戦を見守った。まなざしは自身の対局中の鋭さをも超え、一挙一動を見逃すまいという姿勢に見えた。仲邑初段の「プロ入りの一歩」にふさわしい瞬間だと思った。ナイチンゲールなど「伝記本」を愛読するという彼女の囲碁に打ち込む姿勢に、日本棋院をはじめとする「大人」の側はどのように応えていくべきか。期待を現実にするには、仲邑初段ら新時代を担うべき若き才能が、情熱を注ぎ続けられる囲碁界でなければならない。

この記事は有料記事です。

残り1762文字(全文2118文字)

あわせて読みたい

マイページでフォローする

この記事の特集・連載
すべて見る

スポニチのアクセスランキング

現在
昨日
1カ月

ニュース特集