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社説

ヒト胚ゲノム編集 生殖技術全般の法規制を

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 ゲノム編集で遺伝子改変したヒトの受精卵から子どもを誕生させる。安全面でも倫理面でも課題の多い生殖技術が日本でも法規制される見通しとなった。厚生労働省を中心に検討し、この秋をめどに規制の枠組みを示すという。

 昨年11月に中国で公表された「ゲノム編集ベビー作製」は世界から批判を浴びた。受精卵の遺伝子改変は生まれてくる子どもに障害を残す恐れがあるだけでなく、親が望む遺伝子改変を子どもに施す「デザイナーベビー」にもつながりかねない。

 英独仏など主要国はこうした遺伝子改変受精卵の子宮移植を法律で原則禁止している。日本政府は法規制に消極的だったが、ゲノム編集技術の簡便さを思うと国内の不妊治療クリニックなどでも試みられる恐れがある。法規制は当然で、遅すぎたといってもいいだろう。

 ただ、急ぐあまり、通り一遍の法規制になっては困る。

 そもそも日本には生殖技術全般を規制・管理する法律がなく、それがこうした先端技術への対応も難しくしてきた。どのような生殖補助医療やヒト胚を使った基礎研究がなされているか、全体像がわからず透明性に欠ける。学会の独自ルールはあるものの、実態把握は不十分で、ルール違反もめずらしくない。

 そうした現状を打破するためにも、これを機に生殖技術全般を視野に入れた包括的な規制を検討すべきだ。ゲノム編集人間の作製を禁止することは当然としても、それにとどまってはならない。

 検討に際して参考となるのが英国の「ヒトの受精と胚研究に関する法律」と、それに基づく管理機関「HFEA」の存在ではないか。

 HFEAは生殖補助医療に加え、研究目的でのヒト胚の作製や使用など生殖技術全般を管理し、許可制としている。ヒト胚ゲノム編集の研究もこの仕組みの下で行われている。日本も臨床応用から基礎研究までカバーする規制を考える必要がある。

 ヒト胚のゲノム編集については世界保健機関(WHO)が登録制度など国際ルール作りの議論を開始した。日本は世界の中でも生殖補助医療の実施件数が多い。そこでの規制が国際標準に比べて緩いということがないようにしたい。

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