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インド与党勝利へ ナショナリズム強調、不満から目をそらす

インドのモディ首相=ニューデリーで21日、AP

 5年に1度のインド総選挙(23日開票、定数545)は、ヒンズー至上主義を掲げるモディ首相の与党・インド人民党(BJP)が圧勝する見通しになった。選挙戦では、経済成長の恩恵を享受できない農民や低所得者層らの反発もあり、BJPが議席を減らすとの見方もあったが、野党側は魅力的な政策を打ち出せなかった。モディ氏の人気は底堅く、有権者は現状維持を選択した形だ。【ニューデリー松井聡】

 モディ氏は23日夜の演説で「2014年の(前回選)時は有権者は私を知らずに投票した。今回は私をテストしたうえで信頼してくれた」と語った。BJPのアミト・シャー総裁は「この5年で我々の支持者は増えた。次の5年で支持者はさらに国の隅々まで拡大する」と自信を見せた。

 「多くの有権者にとってBJPはベストではないが、妥協できる範囲だった」。印シンクタンク・政策研究センターのラフル・ベルマ氏はこう分析する。

 モディ政権下では、格差拡大や失業の問題が指摘され、必ずしも国民を満足させるものではなかった。これに対し、BJPはナショナリズムやヒンズー教徒の宗教感情に訴える戦略で、国民の目を不満からそらさせることに成功したと言える。

 さらに支持母体のヒンズー至上主義団体・民族奉仕団(RSS)も全土で社会奉仕活動を行い、影響力が低かった東部や南部でもBJPの支持層を広げた。

 インドでは1990年代以降、低位カーストなど特定の社会集団の利益を代表する政党が台頭し、「アイデンティティー政治」の時代が続いた。だがBJPは14年の前回選で若者を中心にカーストを超えて支持を集め今回もその傾向は続いたとみられる。印シンクタンクORFのハーシュ・パント氏は「モディ氏は社会集団がベースだった選挙のあり方を劇的に変えた。他の政党はこの変化について行けていない」と指摘する。

 次期政権も経済成長路線と、支持層の保守的なヒンズー教徒に配慮した政策の両方を進めるとみられる。この5年でヒンズー至上主義は浸透し、イスラム教徒との分断が進んだ。経済成長の恩恵を農村や貧困層に行き渡らせることや、保守層の急進的な要求を制御できるかが社会の安定への課題となりそうだ。

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