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シネマの週末・この1本

嵐電 夢と現実、垣根するっと

 映画史をひもとくまでもなく、活劇からメロドラマまで“列車”は古くから魅力的な被写体であり続けてきた。歴史ある街並みと一体化した路面電車ならなおさら。「私は猫ストーカー」などの鈴木卓爾監督が、京都市の四条大宮、嵐山、北野白梅町を結ぶ京福電鉄嵐山線、通称“嵐電(らんでん)”を撮った生粋の電車映画だ。

 嵐電の不思議な逸話を集めようとする作家(井浦新)、映画撮影所に弁当を配達する若い女性(大西礼芳(あやか))、電車を8ミリカメラで撮影するのに夢中な少年(石田健太)。彼らを主人公にした男女3組の淡い恋物語が展開する。

 よくある観光映画でも、ご当地映画でもない。深夜、固定カメラで駅のホームから踏切を捉えた冒頭から、なぜか妖しい予感に胸がざわめく。嵐電と駅周辺でほぼオールロケを行った“リアル”な作品なのに、現在と過去、現実と夢の垣根をするりと越える幻想シーンが頻出する。かと思えば、小道を軽やかに駆ける男女の脇を電車が素知らぬ風情で通り過ぎていく、ただそれだけのショットがたちまち映画的な魅惑を引き起こす。そしてキツ…

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