連載

「8年越しの花嫁」の難病

毎日新聞デジタルの「「8年越しの花嫁」の難病」ページです。最新のニュース、記事をまとめています。

連載一覧

「8年越しの花嫁」の難病

続・死亡率7%の壁(1)意識不明5カ月、最後にたどりついた「特別な薬」

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷

 実話を基にした映画「8年越しの花嫁」(2017年公開)で、土屋太鳳さんが演じる主人公の女性が患ったのは難病「抗NMDA受容体脳炎」だった。この治療において、海外では有効性が認められているにもかかわらず、国内では「原則」として使えない薬がある。しかし、防衛医科大学校病院(埼玉県所沢市)は、学内の倫理委員会の審査を経て、この薬を患者5人に使ってきた。うち4人は短期間で社会復帰を果たす一方で、結果的に命を落とした女子高生もいる。「死亡率7%」とされる病。その生死を分けたのは何だったのか。3回にわたって報告する。【照山哲史】

 「こ、ど、も、が、し、ん、ぱ、い」(子供が心配)。病室のベッド横にあるホワイトボードに、患者の女性が黒ペンで1文字ずつ書き込んだ。ミミズがのたくるような文字から必死さが伝わってくる。14年10月27日のことだ。「抗NMDA受容体脳炎」を発症してから約5カ月もの間、意識不明の状態が続いていたが、初めて自分の気持ちを伝えることができた瞬間だった。「特別な薬」を投与してから1カ月が過ぎていた。

この記事は有料記事です。

残り1115文字(全文1573文字)

あわせて読みたい

この記事の特集・連載
すべて見る

注目の特集