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高額ながん治療薬 適正な価格をどう決める

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 一部の白血病などに効果がある遺伝子治療薬「キムリア」の公的医療保険の適用が始まった。患者には朗報だが、薬価は1回3349万円と過去最高額だ。

 超高額の新薬は今後も続々と承認されることが予想される。薬は医療費全体の約2割を占める。保険財政が破綻しないよう対策を講じなければならない。

 キムリアの対象は一部の白血病とリンパ腫の患者のうち、抗がん剤の効かない人に限られる。治験では白血病で約8割、リンパ腫で約5割の患者が大幅に症状が改善したという。画期的な新薬には違いない。

 自己負担に上限を設ける「高額療養費制度」があるため、年収約370万~約770万円の患者の負担は約41万円に抑えられる。残りは公的医療保険からの支出になる。

 高価格が認められたのは、患者本人から免疫細胞を採取して凍結保存したものを米国に送って加工し、がん細胞を攻撃する力を高めて患者の体に戻す「オーダーメード」の薬だからである。通常の薬のような大量生産はできない。1回の投与で完治が期待されており、長期間服用し続ける治療薬と同列に考えることはできないだろう。

 ただ、原材料費や研究開発費などの情報があまり公開されていないため、薬価を決める中央社会保険医療協議会では「製薬会社の言い値だ」との批判も出た。他の血液がんに適用を拡大していけば患者数は増え、さらに保険財政が圧迫される可能性がある。

 製薬会社にとっては、新薬の研究開発に着手しても承認されて販売に至るのはわずか3万分の1という事情がある。最近は免疫機能の活用や遺伝子組み換えが必要なためコストがかかる薬が多い。

 保険財政を守りつつ、患者が求める新薬の開発を進める方策を考えなければならない。

 厚生労働省は高価格の新薬について、既存薬との価格差が治療効果の差に見合っているかを分析し価格に反映させる制度を導入した。

 生命にかかわる疾病や個人での負担が困難な薬の保険適用を優先し、湿布やビタミン剤など市販薬で代替可能な薬を保険の対象から外すことも検討すべきだろう。

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