メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

「不明管」で高額の水道料金、兵庫の男性が提訴 各地に存在か

不明管に流れ込むイメージ

 地中に埋設された所有者の分からない「不明管」が原因で不当に高額な水道料金を支払わされた可能性があるとして、兵庫県西宮市の男性が上下水道を管理する同市に約240万円の損害賠償を求めて裁判を起こした。不明管の存在は各地で確認されているものの、全国でどの程度埋まっているか全容は明らかになっておらず、住民が被害を訴えて訴訟に発展するのは異例だ。

 4月26日付で神戸地裁に提訴した。訴状によると、男性は2004年、市内の中古の戸建て住宅を購入。17年6~7月、水道を使っていない間も水道メーターが動いたり、止まったりしていることに気付き、男性側の要請で西宮市が原因を調べたが、漏水などは確認されなかった。

 男性は17年11月に水道管を自費で交換。以前は水道料金が平均で約1万円(2カ月分)だったが、約4000円に下がったという。昨年8月には、民間業者に自宅付近の道路の地中調査を依頼。レーダー探査の結果、所有者不明の配管が10本程度確認され、うち数本は近隣住宅から道路の下を通って男性宅の敷地内につながっていた可能性があることが確認された。

 このため男性は市に道路を掘削して調査するよう求めたが、市が応じなかったことから「異常を放置した」などとして市側の責任を問う裁判を起こした。

 一方、市は「不明管が埋まっている可能性だけでは対応していない」と説明し、提訴については「訴状が届いていないのでコメントできない」としている。【岡村崇】

不明管とは

 水道管は、自治体側が台帳を作成してどこに埋設されているかを把握しているが、管理が不十分だった戦前の古い配管などが、道路工事などの際に「不明管」として見つかるケースが多いとされる。各地で地中調査を手掛ける業者は「請け負う案件の約1割で不明管が見つかる」と明かし、「工事中に傷付けて水の噴出などのトラブルにつながる可能性もある」と指摘する。

 国土交通省も、工事業者が地中から不明管を発見したような場合、役所に連絡し、誰が管理者か「明確にしなければならない」とルール化している。だが、訴訟を起こした男性のケースのように、存在が「可能性」レベルであれば、調査は義務ではないというのが自治体側の立場だ。

 水道管には、自治体側が公道などの下に埋設して管理する「配水管」と、配水管から住宅などに水を通す「給水管」があり、給水管は住民側が所有・管理する。ただ、今回は道路下に不明管がある可能性が指摘されており、男性の代理人弁護士は「民間人が勝手に道路を掘って調べるわけにはいかない。(異常の)原因を解明するため、市が柔軟に対応すべきだ」と話している。【岡村崇】

おすすめ記事

毎日新聞のアカウント

話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 金融庁「老後最大3000万円必要」独自試算 WGに4月提示
  2. ピエール瀧被告に判決 懲役1年6月、執行猶予3年 麻薬取締法違反で
  3. 鮮明な写真公開 タンカー攻撃で 米政府 「イラン関与」を改めて主張
  4. 同級生に一方的恨みか 交友でトラブル 名前使って110番 拳銃強奪
  5. 日の出待ち、府警40人が山に 急転直下の逮捕劇 拳銃強奪

編集部のオススメ記事

のマークについて

毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです