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社説

メイ英首相辞任表明 後継選びは着地見据えて

 欧州連合(EU)離脱を巡る英国政治の混迷から、首相が交代する事態に至った。メイ首相が与党・保守党の党首を辞任すると表明した。

     後任党首が決まり次第、首相の座からも退く。離脱に道筋を付けた上で身を引く覚悟だったが、失意の中、退場に追い込まれた。

     直接の引き金は、離脱の是非を問う2度目の国民投票を容認する姿勢を示し、与党内強硬派の反発を招いたことだ。政権幹部が抗議辞任するなど、退陣圧力が強まっていた。

     それまでメイ氏は「民主主義に反する」と国民投票の再実施を否定していた。強硬派の説得に見切りを付け、野党・労働党の取り込みを狙った方針転換だったが、裏目に出た。

     もともとメイ氏は、消極的ながら「EUにとどまるべきだ」と考える残留派だった。離脱派が勝利した2016年6月の国民投票後、離脱派と残留派に割れる与党内の融和を図れる人物として首相に就任した。

     以来、離脱問題のかじ取りにあたった3年間、メイ氏が政治情勢を読み違える「誤算」を重ねたのは事実だ。議会で多数派を形成する努力が不足していたきらいは否めない。

     政権基盤強化を狙って前倒しした17年の総選挙では保守党が大敗し、求心力の低下を招いた。EUとの難交渉を経て昨年11月にまとめた離脱協定案は、今年に入って3度にわたり下院で否決される失態が続いた。

     しかし、首相を支えるべき与党議員のかたくなな態度が行き詰まりを招いた側面もある。特に与党内強硬派は、EUとのつながりが当面残る協定案に徹底抗戦する姿勢を崩さず、歩み寄る意思を欠いていた。

     与党内では強硬派の発言力が強まり、離脱交渉の仕切り直しを求める声も出始めている。しかし、EUは再交渉には応じない構えだ。10月末まで期限が延期されている離脱の先行きは一層、不確かになった。

     無秩序な「合意なき離脱」を回避できるかどうかは、後継首相の取り組み姿勢次第だ。離脱を巡る議会内の足並みの乱れを放置している限りは、合意の形成はおぼつかない。

     政治の役割の一つは妥協点を見いだすことだ。「意見の異なる人々が妥協する用意があってこそ、合意が得られる」。辞任表明でメイ氏は語った。政治の力を示してほしい。

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