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尾を引く丸山穂高議員の「戦争」発言 問題行動も次々 北海道内外で波紋

北海道根室市で開いた記者会見で、自身の発言について「言葉尻をとらえられるのは困る」などと反論する丸山穂高衆院議員=2019年5月13日午後2時8分、本間浩昭撮影

 北方領土へのビザなし交流訪問団に参加中、丸山穂高衆院議員が戦争による北方領土返還に言及した問題は、約2週間経過した現在も収束する気配がない。丸山氏の問題行動が次々と明らかになる中、国会では野党の辞職勧告決議案、与党のけん責決議案提出などの動きが出る一方、元島民の団体は抗議文を送るなど、北海道内外で波紋が広がっている。【本間浩昭】

当初は開き直り

 参加した団員らによると、今年度最初のビザなし交流訪問団が国後島を訪れた2日目の11日午後8時ごろ、宿泊先の「友好の家」で丸山氏の発言は飛び出した。代表取材で同行中の新聞記者が団長で元島民の大塚小弥太さん(当時89歳)に取材中、酔った状態の丸山氏が大声で割り込んだ。

 丸山氏は日本人墓地などについて発言した後、急に話題を変え、「戦争でこの島を取り返すのは賛成ですか、反対ですか」「ロシアが混乱している時に取り返すのはOKですか」と質問。大塚さんが反論しても「戦争をしないと、どうしようもなくないですか」と戦争による北方領土奪還を繰り返し示唆したため、大塚さんは「戦争なんぞしたくありません」ときっぱり否定した。

 訪問団は13日に根室港に帰港。同日午後、根室市であった記者会見では、丸山氏は謝罪せず、発言した場が「意見交換をする公の場ではなかった」と釈明。発言そのものについても「真意を切り取られて心外」「言葉尻だけとらえられても困る」などと開き直り、問題はないとの認識を示した。東京に戻った同日夜、「心から謝罪し撤回する」と一転して謝罪した。

問題行動次々と

 丸山氏の問題行動や発言はほかにも明らかになった。ホームビジットで訪れたロシア人宅での飲酒などで深酔いした上、外務省から避けるよう要請されている夜間の外出を繰り返し試みたため、外務省職員らが廊下に立ち塞がって丸山氏の行動を阻止。「女性のいる店に飲みに行く」とも騒いだ。

 しかし、これらの行為はいずれも、国後島訪問前日の9日に根室市であった結団式で、外務省が丸山氏を含む団員に注意を呼びかけていた行動に該当していた。外務省側は「具体的な留意事項例」として「仮に単独行動を行えば、現地の『国境警備隊』『警察』等に身柄を『拘束』されたり、『立入許可証』の提出を求められたりする可能性」「夕食交流会やホームビジットなどでの飲酒は節度を保つ。急性アルコール中毒になった場合、警察に保護されたり、ロシアの『法令』に基づく入院・移送手続きなどが『適用』されたりする可能性あり」と例示。これらの行為でロシアの法令が北方領土に適用されていることが認められれば、日本の立場を損なうことになりかねないとの明確な説明もあったという。

 しかし、団員らによると、11日夜、丸山氏は食堂での「戦争発言」後、食堂が早めに閉鎖されてからも夜間外出を繰り返し試みた。

 政府関係者がロシアの実効支配を理由に「夜中に外出すると拘束される恐れがある」と改めて説明した。だが、丸山氏は「国会議員には不逮捕特権がある」「ここが日本であることを俺が証明してやる」などと主張しながら玄関に向かおうとしたため、外務省や内閣府、道職員らが廊下に立ち塞がり、部屋のドアと玄関も二重に施錠したという。この時、阻止した一人は「夜間外出を強行しようとしたため、『人間の壁』を作り阻止せざるを得ず、大変だった」と振り返った。

元島民ら強く抗議

 所属していた日本維新の会は丸山氏を除名処分とし、野党6党派は17日に議員辞職勧告決議案、自民、公明両党は21日にけん責決議案をそれぞれ衆院に提出。道議会は22日に発言への抗議決議案を全会一致で可決し、根室市議会も30日に抗議決議案を提出する。24日には衆院議院運営委員会理事会が丸山氏に事情聴取を求めたが欠席した。丸山氏は議員辞職しない意向だ。

 一方、元島民らでつくる千島歯舞諸島居住者連盟(札幌市)は23日、「発言やその前後の行動は常軌を逸したものであり、極めて遺憾」との強い抗議文を丸山氏に送付した。当初は抗議する予定はなかったが、問題発覚後も不適切な対応が続いたため、必要と判断したという。

 元島民は第二次世界大戦によって故郷の北方領土を追われた経緯から、戦争に対するアレルギーは一般の国民以上に強烈だ。だからこそ、政府の外交交渉による平和裏の解決に向け、相互理解を図るためのビザなし交流を進めてきた。それだけに丸山氏への批判は強い。今回の訪問団に参加した元島民2世の北村浩一さん(59)=北見市=は「日露両国が現在のロシア人住民を追い出すことのない(日露共同経済活動などの)方策を探っているだけに、発言は不穏当極まりない」と批判した。

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